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  燻し銀河、折り返し地点。
2008年03月29日

「燻し銀河」が残すところ、あと4公演のところまできてしまいました。

走ってばっかの役どころなので、このキツさから早く解放されたいと思ってましたが、あと2日しかないと思うと、やはり寂しい気持ちでいっぱいです。

いつも劇場に足を運んでくださる皆さん。

本当に本当にありがとうございます。

演劇人として舞台に立ったとき、いつも皆さんから頂くパワーの有り難さを感じます。

皆さんの応援に応えるよう、初日よりも少しでもいい芝居ができるよう、最後まで突っ走っていくつもりです。

今回はヤスバとゆー少年の役。

まさに適役です。

けしてオッサンが無理してるようには見えてません。

…たぶんね。

これから劇場に足を運んで頂ける皆さんが、心から芝居を楽しんで頂けるよう、残りの公演も精一杯がんばります。

楽しみにしていてください。

 
 
 
  終、テニスの王子様。
2008年03月03日

週間少年ジャンプで9年間続いた、テニスの王子様の連載がとうとう終わった。

テニスの王子様は、ミュージカルのお仕事でお世話になった、僕にとっても非常に思い出の深い作品。

現実離れした凄まじい試合模様が魅力の、例えるならドラゴンボール的要素が加わったような、そんなスポーツ漫画だ。

キャラクター達があまりにも現実離れした技を繰り出すため、リアリティとゆー部分には正直欠けてしまうが、逆にそれが魅力的な作品だと思った。

しかし技術的には非現実的でも、マンガの内容から伝わるメッセージは、実にリアルなものがあった。

特に最終話近くの物語り。

主人公の越前リョーマが「天衣無縫の極み」とゆー人間離れしたレベルの技にたどり着く際、必要とされた要素が「テニスを楽しむ」とゆー単純なものだったこと。

これは世の中の全てに共通するくらい、リアリティのあるメッセージだと僕は思う。

何かを始めたとき、誰もが持っていた楽しむとゆーこと。

それが勝つためや結果を残すために、楽しむとゆー事を人はいつしか忘れてしまう。

それを越前リョーマは、その楽しむとゆー事を取り戻すことで原点に帰り、天衣無縫の極みとゆー最高のパフォーマンスを生み出したのだ。

こいつはリアルに現実でも起こり得ることであり、誰もが常に大切にしていなければならない重要な要素だと思うのだ。

とゆーのも僕自身、陸上競技に取り組んでいた頃、同じような事で苦しんでいた時代があったからだ。

特に箱根駅伝みたいな大舞台になると、勝つことにこだわったり、緊張や不安に襲われる事が多々ある中、襷を繋がなければならないプレッシャーと戦わなければならない。

よっぽどの精神力がないと、まともに走る事もできないのだ。

そんな中で、自分の最高のパフォーマンスを披露するために僕が思った事は、やはり楽しむという事だった。

不思議と緊張や不安がどこかへいってしまい、とてもリラックスした状態でレースに挑めたのである。

結果的に、その時の自分の力も充分に発揮できたし、まさに最高のパフォーマンスに繋がるモチベーションのコントロールとなったのだ。

もちろん勝つために競技をやっているので、試合には必ず勝たなければならない。

だけど、そのためには自分の最高のパフォーマンスを披露する必要がある。

楽しむって要素は何事にも必要であり、行き着くべき、すべての原点。

忘れていてもなくしてはならない、大切なものだと思う。

そんな大切なメッセージを最後の最後に伝えてくれた、テニスの王子様の終わり方はさすがだと思う。

誰もがわかっている簡単な事のようで、本当の部分でなかなか理解できない難しい要素、楽しむ。

その楽しむって事の本当の大切さを、実にリアルに伝えてくれた素晴らしいマンガだったと思う。

9年間の長期連載、本当にお疲れさまでした。