合成麻薬MDMAを使用したとして麻薬取締法違反罪に問われている俳優、押尾学被告(31)の判決公判が2日、東京地裁で開かれる。初犯でもあり執行猶予付きの判決が言い渡される可能性が高いが、これで一件落着とはならない。MDMAを一緒に飲んで死亡した田中香織さん(享年30)への捜査がヤマ場を迎えているとの情報もあり、判決後に女性死亡の件で保護責任者遺棄罪などで立件される可能性もある。
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田中さんの死をめぐっては、9月31日に保釈後も、連日押尾被告への任意の事情聴取を続けていた警視庁。10月23日の初公判では押尾被告が六本木ヒルズにも3回ほど行き、捜査に立ち会ったことが明かされている。
さらに最近になって、田中さんの同僚だったホステス仲間が警察の任意の聴取を受けているという情報や、押尾被告の供述から田中さんが容体急変し息をひきとるまで35分間あったことが判明…など、新事実が次々と明らかになり、捜査がヤマ場を迎えているのではないかという見方がある。
“供述”が事実なら、35分間になぜ119番通報しなかったのか。保護責任者遺棄罪容疑や保護責任者遺棄致死罪容疑で立件され、再び逮捕される可能性もある。
MDMAの件では執行猶予がつくとみられるが、これで押尾被告が望むとされる芸能界復帰にGOサインが出るわけではない。芸能界のゴッドねえちゃんこと和田アキ子が「人が亡くなっているんだよ」と繰り返し不快感を表しているように、今回の事件はあまりにも重い。
一方で、押尾被告のもうひとつの“復帰”をにらんだ関係者の影はちらつき始めている。薬物使用、女優・矢田亜希子との離婚、女性の死…。事件前からゴシップには事欠かない押尾被告だけに、告白本や暴露本を出版すれば、話題になることは間違いない。逮捕前から無職状態で金銭的にも窮している押尾被告には、すでに出版関係者が接触。取り込みを図っている。とはいえ、女性死亡事件が決着しないことには、出版への具体的な動きができないのも事実だ。
押尾被告の判決は、午前11時に開廷。傍聴券抽選締め切り時刻は午前9時45分。