飯綱町のデマンド交通システムが、企業や行政などでつくるグリーン購入ネットワーク(東京)主催の「グリーン購入大賞」で大賞となった。町とパイオニア(東京)が考案したシステムで利用者が増え、運用コストや燃料消費を抑えた点が評価された。
町は2007年10月から、利用が少ない平日日中の路線バス運行をやめ、利用者宅と目的地間を運行するデマンド交通を開始。利用者が町内の受け付けセンターに電話で乗車時間と行き先を伝えるとオペレーターがパソコンで登録し、最短ルートの情報を示すカーナビゲーションで運転手を案内する。このシステムの導入費用は約1千万円で、機械の維持費用はほとんどかからないという。
町によると、デマンド交通導入前の06年度のバス乗客数は年間約4万3700人だったのに対し、導入後の08年度は、デマンド車と路線バス乗客数が約5万2500人に増加。パイオニアによると、効率的な運行で、08年度の公共交通車の使用燃料は06年度に比べ約37キロリットル、二酸化炭素(CO2)排出量は約110トン削減できたという。
遠山秀吉町長は「町で暮らす人が利用しやすいよう知恵を絞った成果が表彰されてうれしい」としている。
同ネットワークは、環境負荷が少ない製品を買う「グリーン購入」推進のため、先進事例を全国から募集し、表彰している。今年は74件中、5件が大賞となり、県内では飯綱町が唯一の受賞だった。
(提供:信濃毎日新聞)