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トーク21 |
10月25日 |
使命に生きる人は輝く |
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京劇俳優 石山雄太さん 迷わず真っすぐにこの道を 九州男子部長 山田磨樹さん 情熱と対話で平和への共戦 民衆のため、社会のために大理想を掲げて集まった108人の豪傑たち。「誠」を尽くし、「義」に生きるドラマが、民音主催の中国国家京劇院公演「新作 水滸伝 宋江と梁山泊の英傑たち〜水滸之誓〜」です。きょうのトーク21は、外国人初のプロ京劇俳優として同京劇院で活躍する石山雄太さんと、九州男子部長に就任した山田磨樹さんが、個性を生かす素晴らしさなどを語り合います。 英雄再生のストーリー 山田 驚きました。ものすごいパワーですね。北九州市での公演でも、若い人からお年寄りまで、大喝采を送っていました。 石山 ありがとうございます。そういった声が、やはり一番励みになります。 山田 どの場面にも魅了されますが、水滸伝そのものの魅力は何でしょう。 石山 一言で言えば、「英雄再生」という点だと思います。 梁山泊は、社会から“犯罪者”のレッテルを張られた者ばかりの集まり。また今で言うなら、公務員、警察官、使用人、令嬢……といった、地に足のついた“等身大の人”たちです。だから、親しみもわきやすい。 山田 石山さんが演じている「時遷」も、もともとは泥棒だったんですね。 石山 はい。そういう人物が、「自分の生き方を変えよう」と梁山泊に入り、「替天行道(天にかわって正義を実現する)」の大理想のもと、自分の特技を生かして活躍する。そして人間的にどんどん成長していきます。 山田 生まれや育ちのまったく異なる人たちが、自らの使命を自覚、大理想を目指して一致団結していく――正義に生きる人々の情熱が伝わってきます。創価学会の戸田城聖第2代会長は、水滸伝や三国志を教材に青年の生き方を教えられました。 石山 自分の力を発揮できる場を与えられたとき、人は輝きます。梁山泊にはまた、自分が何かで役立ちたいという“空気”があったのでしょう。 今回の演目は、民音創立者である池田名誉会長の著作に感銘を受け、京劇院の呉江院長が脚本を書き下ろした新作。ストーリーも面白く、すべての場面が“見どころ”です。 誠実の人が勝利者 山田 梁山泊の中心人物「宋江」について、戸田会長は、こう評価しています。 「宋江は、外見はいかにも平凡な男であったが、ただ一つ、相手の人物をとことんまで見抜く特別の力をもっていた」と。 石山 宋江は、人を裏切ることがない。人から裏切られ、陥れられた経験をもつ豪傑たちにとって、「ほっとする人」だったのだと思います。 山田 “大誠実”の人だったのですね。 名誉会長は私たち青年に常々語られます。「誠実の人が最後の勝利者になるのです。嘘や、はったり、ごまかしなど打ち砕いて、誠実で進むのです」と。 物語では、主君への恩義に生きる人物と、主君を裏切るエゴの輩の対比も、鋭く描かれています。 石山 そうですね。後半、敵側の将軍「関勝」が、宋江らの理念に打たれて梁山泊の仲間になる場面も、人間の機微という点で興味深い部分です。 山田 3年前の民音公演「三国志――諸葛孔明」も大きな反響を呼びました。双方とも長年愛されてきた古典ですが、それぞれの特徴は何でしょう。 石山 前回公演はどちらかというと、孔明に大きくスポットが当たった物語であるということ。それに比べて水滸伝は、宋江という中心人物はいるものの、登場人物のすべてに光が当たり、「全員が主役」の話です。 創大弁論大会で力試し 山田 石山さんは小学生の時、テレビで孫悟空の演技を見て、京劇俳優を目指されたと伺いましたが。 石山 強烈な衝撃を受けました。ほどなく中国で京劇を習いたいと、中国語を勉強し始めました。実は高校1年生の時、力試しで創価大学の中国語弁論大会に出場したこともあるんですよ。 山田 そうだったんですか! 石山 高校を卒業してすぐに中国に渡り、中国戯曲学院の門をたたきました。自分の道を決めてから、ぶれたり、迷ったりすることはありませんでした。 山田 最初の“出会い”の印象が強かったということでしょうか。外国人初、そして外国人唯一のプロ京劇俳優として活躍される石山さんの、意志の強さに感服します。 中国国家京劇院創立には、周恩来総理が深く関わったそうですが、その面影は、今も残るのでしょうか。 石山 周総理から直接、スカウトされて俳優になった先輩も、何人か知っています。その心は、脈々と受け継がれています。 会って初めて分かる 山田 先輩たちから学んだことで、心に残っていることは。 石山 私が京劇院に入る時、呉院長は「京劇とはもともと、包容力のある芸術である。京劇の発展に正しい力を注げる人間であれば、たとえ外国人であってもどんどん受け入れるべきだ」と、私の挑戦を評価してくださいました。今も原点になっています。 山田 お話を聞いていると、まるで京劇院自体が、梁山泊のようですね。 石山 確かにその通りですね(笑い)。 一方で、重大な責任を担っています。私自身そうだったように、一度の公演で観る人の人生を変えることもある。逆に中途半端な舞台を見せてしまえば、次からは見向きもされない。伝統芸能の怖さです。 山田 日中友好に果たす文化交流の役割は、ますます大きくなっていると思います。 石山 今までの日中関係は、お互いをよく分かっていない側面があったと思います。よく言われることですが、「会ってみて初めて分かる」ということに尽きます。交流は、苦労も多いですが、互いにとって絶対必要なことです。 山田 “対話”が根本ですね。九州は中国や韓国と地理的に近く、民衆交流も古くから盛んでした。 石山さんとは次元は異なりますが、九州青年部は、周総理と名誉会長が一期一会の出会いから礎を築いた日中友好の金の橋を渡り、対話の力で平和の一翼を担って前進したいと決意しています。 「新作水滸伝」 あらすじ 民衆のために立ち上がった宋江(そうこう)ら英傑たちは梁山泊で首領・晁蓋(ちょうがい)の仇討ちを誓う。そこに名士・盧俊義(ろしゅんぎ)が訪れ、宋江は味方にと願う。一方、盧の館では、使用人の李固(りこ)が主人を朝廷に讒言(ざんげん)し、財産と妻を手に入れようと企んでいた。一度は難を逃れた盧俊義だったが、忠義に厚い養子の燕青(えんせい)もろとも朝廷軍に囚(とら)われてしまう。宋江らはさまざまな武器と知略で、二人の救出に向かう……。 ●公演は12月10日(木)まで、全国で。問い合わせは各地の民音センターへ。詳細はホームページまで。
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