日本外国特派員協会で講演するダライ・ラマ14世=31日、東京・有楽町 ダライ・ラマが中印係争地訪問へ 都内で記者会見亡命先のインドから来日したチベット仏教最高指導者ダライ・ラマ14世は31日、都内で記者会見し、中国が領有権を主張するインド北東部アルナチャルプラデシュ州タワングを訪問すると明言した。 台湾への8月末~9月初めの訪問に続き、中印間で国境問題のある地域へのダライ・ラマの訪問が、中国政府を刺激するのは必至とみられる。 インド紙などは11月上旬に訪問予定との観測を伝えていた。ダライ・ラマは会見で「訪問の招待を受け入れた」と認め、目的について「(宗教的な)教えのため」と、政治的目的がないことを強調した。 タワングは、ダライ・ラマが1959年にインドへ亡命した際に立ち寄った地域。チベット仏教の聖地ともされ、これまで数回訪問したという。 アルナチャルプラデシュ州は、インドが北東部州の一つとして管轄しているが、62年の中印国境紛争の一因にもなった地域で、中国側は現在も「中国のもの」と主張。インドのシン首相が10月上旬に訪問した際も、中国外務省の馬朝旭報道局長が「強烈な不満を表明する」と強く反発していた。(共同) 【共同通信】
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