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2009年2月 3日 (火)

『ララピポ』中村ゆり インタビュー

“今の時代にあったリアルな人間ドラマ”

出席者:中村ゆり

『ララピポ』中村ゆり インタビュー

奥田英朗の同名小説を『パコと魔法の絵本』の中島哲也が脚色し、中島哲也の弟子である宮野雅之が監督を務めた『ララピポ』 。大都会・東京。様々な問題を抱えた6人の濃いキャラクターたちが、したたかに生き抜いていく姿を描いた群像劇だ。

登場人物の一人、風俗専門のスカウトマンに言われるがまま、その業界に足を踏み入れていくトモコを演じたのは、『パッチギ!LOVE&PEACE』 のヒロイン、キョンジャ役で注目を集めた中村ゆり。今までのイメージを覆すような難役に挑んだ中村ゆりさんにお話を伺いました。

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演じたトモコはどんな人物だと思いましたか?

■中村ゆり(以下、中村)「トモコは、女としての生き方を受け入れている人だと思いました。男の人の言いなりで、地に足が着いていないように見えるのですが、本当は物凄く考えているような一言をポツリと言ったりします。まだ若いから弱さもあって、助け出してくれるのなら誰でも良いという考えを持っているのですが、そのかわり絶対に抜け出してやるという思いもあります。這い上がるために、女の武器も利用するたくましい女性です」


演じる際に気をつけたことは?

■中村「演じる役の人柄とか人生を探るのは役者の仕事ですが、現場に入ったら監督に任せてしまう部分もたくさんあります。今回は宮野監督が、しっかりとしたトモコ像を持っていたので、無責任に聞こえてしまうかもしれませんが、宮野監督に委ねることが多かったです。ただ、堕ちて行くトモコがより痛々しく見えるように、少女っぽさを残すよう常に心掛けました」


演じる際に何かリサーチはされたのでしょうか?

■中村「この作品に関わる前から、風俗やAV業界で働いている女性に興味がありました。同じ女性として、どうしてそういった仕事を選択されたのかな?って。ただ、実際にその職業の方々にお話を聞いても、バックグラウンドはマチマチでした。意外とライトな感覚でその世界に足を踏み入れている方も多くて、それにはちょっと驚かされました。トモコの場合は、脚本の中に家庭環境が描かれていたので、そこからヒントを得て役作りに活かしました」


体当たり演技が必要なシーンもありましたが、抵抗はありませんでしたか?

■中村「周りからは“えっーなんでそんな役をやるの?”って言われたこともありましたけど、抵抗感は全然ありませんでした」


トモコを口説き落とすスカウトマン栗野を演じた成宮寛貴さんとの共演はいかがでしたか?

■中村「とても真摯に役に取り組んでいらっしゃいました。演技をしている時は、自分のことだけじゃなく、他人のことも考えてくれる。いろんな意味で礼儀正しい方だなと思いました」


撮影に拘ることで有名な中島哲也監督の弟子である宮野雅之監督の演出はいかがでしたか?

■中村「とても細かく拘る方だったので、すごく信頼できました。ビジョンがしっかりしていて、自分がイメージしたものと違うと何度でもやり直しました。また、宮野監督自身、芝居が上手くて、カメラを回す前から役者にベタ付きで演技指導をしてくれました。ちょっとでも表情がダメだと“それは僕のトモコじゃない”って(笑)」


Nakamura2_2

本作のテーマ的な部分では、何を感じましたか?

■中村「世の中を見たらカッコ良く生きている人よりも、カッコ悪い人生を送っている人の方が多いと思います。みんなもがいています。この映画に出てくる人たちは、現実からかけ離れているように見えますが、みんな人間らしい人たちで、実はとてもリアルなんです。一見、軽いコメディ映画のようですが、人間臭さをガツンと描いた人間ドラマです。しかも今の時代にとってもマッチしている作品になっていると思います」


女優として活動を開始してから5年経ちましたが、女優業はいかがですか?

■中村「面白くなってきました。この間、多くの人たちと出会いました。その中には、自分が凄いと感じる方々がいて、そういう方たちと一緒に映画を作るのが楽しいです。いつも巡り会えるわけではありませんが、そういう方とガッツと組んで、カッコ良いと思えるような仕事ができると嬉しいですし、もっと良い仕事をしたいという欲も出てきます」


こらからご覧になる方に一言お願い致します

■中村「一見ポップですが、人間がきちんと描かれていので、“バカっぽかったけど意外と切ないんだな”とか、いろんな発見ができると思います。あと、若い世代にとってリアルな世界観なので、是非見て頂きたいです」


<中村ゆり プロフィール>
1982年大阪府出身。芸能活動を始めると同時に演技・芝居に興味を持ち、活動の場を役者に移す。グー・スヨン監督作『偶然にも最悪な少年』(’03)や瀬々敬久監督作『JUDE/ユダ』(’04)など、個性的な監督の作品に出演。2007年に井筒和幸監督作『パッチギ!LOVE&PEACE』でヒロインのキョンジャ役を射止め注目を浴び、第3回おおさかシネマフェスティバル新人賞、2007年度全国映連賞女優賞を受賞。2008年10月にはロバート・アラン・アッカーマン演出の舞台「1945」で初の主演を務めた。

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『ララピポ』
公開日:2009年2月7日
劇場情報:シネクイント、シネ・リーブル池袋、新宿ミラノ3ほか全国にて
配給会社:日活
公式HP:http://www.lalapipo-movie.com/
(C)2009『ララピポ』製作委員会


取材・文:伊藤P
写真:あすか

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