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help リーダーに追加 RSS どうして竹中平蔵を論破できないのか

<<   作成日時 : 2009/03/16 18:07   >>

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 今日16日の産経新聞【竹中平蔵 ポリシー・ウオッチ】で竹中さんは「政権の正統性を問う」という論文を書いています。中見出しは二つです。
  何のための政権か
  自由な経営判断を脅かす


 「何のための政権か」で、「現政権は、平成17年の総選挙において与党が3分の2の多数を得たことに基盤を置いて成立している。いうまでもなくその選挙は、郵政公社を4分社化し民営化することの是非を問う選挙だった。現政権の経済無策は深刻だが、それ以前に、選挙で公約した郵政民営化を実直に進めようとしていないのが問題なのだ」と指摘し、そういうことなら麻生政権にはもう「正統性」(レジティマシー)はないと批判します。なるほどなあと思いました。

 そこで麻生政権が本来取り組むべき郵政問題、日本郵政が民営化されてからまだ1年半ではあるが、西川体制下でかなりの実績を挙げていると評価しています。

 1  第1は収益力の向上である。公社時代の国庫納付金に比べると、民営化された後の納税額はおおむね3
    倍になる計算だ。
 2  第2に収益向上の結果として、郵便局の閉鎖が一気に減少した。国営であれば郵便局は減らないという
    「迷信」に反し、公社の4年間、年平均約50局の郵便局が閉鎖された。しかし民営化後の閉鎖はわずか1
    局のみ。簡易局の一時閉鎖も減少しはじめた。
 3  極めつきは、民間基準で「実質関連会社」を精査し、利権の巣窟(そうくつ)のような219社の関連会社を 
    あぶり出したことだ。これまで国民に明らかにされてこなかったこうしたファミリー会社に、実に2000人もが
    天下っていた。……、民営化された郵政は、そうした膿を出させたのである。

 こうした実績を挙げつつある中で生じたかんぽの宿売却問題については、以下のようなご意見です。

   民営化決定の当時、かんぽの宿は105カ所、うち61カ所が運営収支(償却前)の段階で赤字、償却後はす
  べて赤字という信じがたい内容だった。……、正真正銘の「不良資産」なのだ。だからこそ5年以内の処分が法
  律で義務づけられた。持っているだけで赤字がかさむものを一刻も早く処分するのは、当然の経営判断でもあ
  る。
   そのプロセスに、もしも問題があるなら、これをすみやかに解決し、売却を実現するのが郵政を所管する鳩山
  邦夫総務相の責務である。にもかかわらず鳩山総務相は、日本郵政の経営者を批判し、関係者の風評リスクを
  あおるような行為を重ねてきた。
   赤字を垂れ流し国民負担を増やすような施設をここまで作ってきた人間こそ批判されるべきである。

 それにもかかわらず、麻生太郎首相自身が「郵政民営化に反対だった」と発言したのですから、「既得権益者の高笑い」が聞こえ、これでは郵政民営化選挙で得た議席の上に内閣を運営する正統性は麻生政権には存在しない、と批判します。


 さらに、党則で「自由主義」の政党であるとうたっている自民党が、たとえ政府が100%の株式を持っていようと、「民間の経営に任せる」ための民営化であるはずだから、政治家や官僚が自由な“経営判断”に介入するのは間違いだと指摘します。「いつ資産を売却するかは、経営者が判断すべき問題だ」、「政治の権力で民間の経営が脅かされるようでは、党の掲げる“自由主義”は有名無実だ」と批判します。

 かんぽの宿109億円一括売却については「安すぎる」という発言そのものが常識外れであり、「民主主義と自由主義の観点から、政権の正統性そのものが問われている」とも批判しています。

   かんぽの宿は、かつて年間100億円超もの赤字を出していた。これがかなり改善されたが、それでも年間40
  億円の赤字を計上している。資産の価値は、それが生み出す収益の割引現在価値で決まる。そんな事業に
  100億円というのは、売り手から見ればむしろ相当よい条件といえよう。入札をやり直すことになったが、その間
  の機会費用まで考えると、今回の事案で実質国民負担が増えることはまず間違いない。何より、資産価格は何
  で決まるかという市場経済のイロハが理解されていない点に、政策当局への絶望的な不信感が広がる。
  http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/090316/plc0903160211001-n1.htm


 ところで今日の毎日新聞の第2社説は「郵政民営化委 改革の原点はどこへ行った」でした。

 ここでは郵政民営化後の実績、問題点についてはこう指摘しています。

 1 過疎地では旧簡易郵便局閉鎖などで公社時代より利便性が低下したとの指摘がなされている。
 2 ゆうちょ銀行は貯金の減少に加え、金融商品取引法施行や株価下落で手数料ビジネスの柱に位置付けてい
   た投資信託の販売が急減している。
 3 資産の活用や売却でもかんぽの宿の譲渡問題など不透明な事例が明らかになっている。


 また郵政民営化委員会が答申したのでしょうか、民営化後の現状と提言を以下のようにまとめていました。

<現状>  郵便、貯金、保険が別の会社の業務になったため、配達途上の郵便外務員の貯金引き出し依頼など
      ができなくなったとの批判がある。旧簡易郵便局閉鎖への緊急対応もサービス内容が限定されている。
      年賀はがき販売などで、郵便事業会社と郵便局会社の協力関係が欠如している。
 
<提言>  民営化委は4分社化問題には言及することなく、グループ各社間の連携強化や業務規制緩和、新規
      業務を前向きに認めていくことで、利用者利便の向上を図ることを提言している。


 その提言に対して社説は「純粋の民間企業ならばそれでもいいだろうが、公共性を帯びた日本郵政の場合には、より踏み込んだ議論が必要だ」と以下のような主張をしています。

 1 郵便物が今後とも減少していくことが確実な中で、民間企業として全国一律サービスを維持していく手立ては
   あるのかということだ。ゆうパックにしろ国際物流にしろ、経営を支えることにはなりようがない。郵便事業会社
   の100%親会社である日本郵政は将来的にも政府が株式を保有する。将来的に政府が何らかの施策を講じ
   ていくのか検討が必要だ。
 2 グループ各社間の連携の在り方だ。4分社化は混然一体としていた経営からの転換を図ることが大きな目的
   だったはずだ。現状では4社ともに日本郵政が100%の株式を保有しているが、金融2社が株式を売り出した
   後の連携はどうなるのか。やり方によっては、4分社化の見直しにもつながる大問題だ。
 3 ゆうちょ銀行、かんぽ生命の業務拡大である。それが地域や利用者の利便を高める唯一の手法なのか。高リ
   スクの金融商品ではなく基礎的な商品・サービスを提供し、決済機能を果たしていく身近な金融機関が郵便局
   の姿ではないか。また、地域金融機関との協調こそ生きる道がある。

 社説は最後に郵政民営化の原点は「役割の終わった国営金融機関の処理だった」と指摘し、今は日本郵政の経営陣も、民営化委も金融2社頼みの姿勢なので、「原点を忘却していると言わざるを得ない」と指摘しているのです。


 月刊誌「WiLL」に「蒟蒻問答」という欄があり、元文芸春秋編集長の堤堯さんと元産経新聞編集長の久保紘之さんの対談「小泉が恐れているのは宮内の証人喚問だ」が載っていました。

 お二人とも右サイトの方だと思いますが、対談タイトルにもあるように小泉郵政改革をぼろくそけなしています。例えば「郵政民営化は小泉純一郎、竹中平蔵、宮内義彦のトリオが推進した壮大な詐欺行為」とか「日米合同の壮大な詐欺」とか、郵政選挙は「票振込詐欺選挙」とか、といった具合で、民営化反対議員以上に厳しい毒舌です。

 このように竹中さんをかなりの方が詐欺師などと悪人呼ばわりしていますので、私もそうだろうと思い、どんな詭弁を弄しているのか、機会あるごとに竹中さんの話を聞いたり論文読んだりしているのです。でも、私の力量ではいつもすぐ丸めこめれてなるほどと思わされるのです。

 どなたかが私が理解できるよう竹中詭弁を論破してくださると、私もよく眠れるのですが。
 http://mainichi.jp/select/opinion/editorial/news/20090316k0000m070087000c.html


                    (巨悪を眠られない東京地検特捜部が”小沢ゼネコン事件”後にねらっているのは
                     ”小泉・竹中郵政振込詐欺事件”だ、 これを後世平成の”総理の犯罪”と呼ぶ、
                     そう預言する細木数子の内弟子 ネズミ)

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コメント(3件)

内 容 ニックネーム/日時
麻生内閣は、郵政選挙で得た3分の2で正統化された内閣だ、との論法は、麻生さん批判として私のブログでも書いたことがあります。が「代表」民主制は公約に拘束される制度ではないので、竹中氏の立論は考え方のひとつでしかないです。
また、自由主義といっても、生存権や民主主義など、他の価値原理と衝突し、調整が必要になるはずで、竹中氏の立論は、自分の意見を正当化できる都合のいい言葉を引っ張ってきただけに聞こえます。
tesa
2009/03/17 09:33
 竹中は相も変わらず、米国の意向通りの説教をたれるのだろうか。この図式ばかり、これがいちばん困りますね。群青殿、どうして一般のコメント、受け入れないのですか、ここでは関係ないけど。ぼくのブログにメール、もらえないかなあ。
つき指の読書日記
2009/03/17 11:56
今日はテレビでbulk sellというのをやっていました。どう考えても簡保の宿納得できないのですが、竹中さん、「売り手から見ればむしろ相当よい条件」といっています。新聞、中立ということで両論流すのでしょうが、本当はどうなのか、真実を追及してほしいものです。でも、新聞も竹中さんの味方みたいで、としたらやっぱり竹中さんの方が正しい、そう思ってしまいますね。
damao
2009/03/18 09:28

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