東京新聞のニュースサイトです。ナビゲーションリンクをとばして、ページの本文へ移動します。

トップ > 社会 > 紙面から一覧 > 記事

ここから本文

【社会】

大量練炭 着火器具なし 不審死の車 埼玉県警、殺害の疑い強める

2009年10月31日 朝刊

 結婚詐欺の疑いで埼玉県警に逮捕された無職の女(34)=東京都豊島区、詐欺罪で起訴=と交際していた会社員大出嘉之さん=千代田区、当時(41)=が遺体で見つかったレンタカーの車内に、ライターやマッチなど着火器具がなかったことが三十日、捜査関係者への取材で分かった。車内には大量の練炭の燃えかすがあり、県警は大出さんが自殺を図ったとすれば極めて不自然で、殺害された疑いが強いと判断、捜査を進めている。

 また女が今年四月と七月、八月にインターネットで一箱八個入りの練炭と七輪(しちりん)をそれぞれ購入したことも判明。女は大出さんの死亡直前まで一緒にいたことを認めており、県警は大出さんの死亡との関連を調べている。

 捜査関係者によると、大出さんは八月六日朝、埼玉県富士見市の月決め駐車場で、レンタカーの後部座席で死んでいるのが見つかり、死因は一酸化炭素中毒だった。遺体からは、女が当時住んでいた板橋区の病院で処方されたのと同じトリアゾラムなど三種類の睡眠導入剤の成分が検出された。

 レンタカー助手席周辺の足元には七輪が一つ置かれ、中には練炭の燃えかす一個があった。さらに七輪の周囲には五個以上の練炭がむき出しのまま敷き詰めるように置かれ、一つ一つに火を付けたかのようにいずれも燃えており、一部に燃え切っていないものもあった。だが、ライターやマッチなどは見つからず、車内には粘着テープなどの目張りもなかったという。

 捜査関係者によると、大量の練炭を燃やすと、車内に早く一酸化炭素が充満し、早く死に至るケースがあるという。女は県警に対し、五日夜に大出さんと駐車場まで来たことは認めているが、「けんかをして別れた。ショックで、自殺したのでは」と話しているという。

 

この記事を印刷する