放送倫理・番組向上機構(BPO)の放送と人権等権利に関する委員会は30日、男児の死亡事故で医師の責任の有無が問われた民事訴訟を伝えた08年2月13日のTBSの情報番組「みのもんたの朝ズバッ!」に重大な放送倫理違反があったと認定。勧告内容を放送し、報道の正確性に留意するよう勧告した。
事故は99年7月、男児が割りばしを誤ってのどに刺し死亡したもの。東京地裁が診察した医師の過失を認めなかったにもかかわらず、出演者が「ど素人にも分かる(のに処置できなかった)」などと医療行為が低レベルであるかのような印象を与える論評をした。
勧告は「安易な批判的論調で構成」などと指摘。同番組が07年にも不二家の不祥事報道で、同種の指摘を受けていることから「なにゆえ、同様の批判を免れない番組作りが行われるのか」と批判した。TBSは2日放送の番組内で勧告の内容を伝える。【栗原俊雄】
毎日新聞 2009年10月31日 東京朝刊