BPOの放送人権委員会は30日、TBSテレビのニュース情報番組「みのもんたの朝ズバッ!」について、のどに刺さった割りばしが脳に達して幼児が死亡した事故の訴訟に関して不正確、不公平な報道があったと認定。重大な放送倫理違反だとして、今後は十分な準備をして正確、公平に報道するよう同テレビに勧告した。
問題になったのは08年2月の放送。幼児を診察した医師に過失はなかったと認定した民事訴訟の判決について、司会のみのもんたさんが「ちょっと乱暴じゃないか」と発言。医師についても「素人でも、脳に損傷はないのかな、と考えますよね」などと述べた。他の出演者も「この程度の医療水準でいいのかとなると、頑張っているドクターのプライドを傷つける」などと話した。
この放送に医師側が名誉棄損だと人権委員会に訴えた。委員会は「人身攻撃に及ぶものとは認められない」として名誉棄損には当たらないとしたが、「判決を綿密に検討することを怠り、正確に伝えていない」と指摘。最も厳しい姿勢を示す「勧告」とした。
「みのもんたの朝ズバッ!」は、賞味期限切れチョコレートの再利用疑惑をめぐる報道で、07年にBPOの放送倫理検証委員会から「取材や演出に問題があった」と指摘されている。これを受けてTBSは再発防止のため制作体制を見直していた。(赤田康和)