落語家の三遊亭円楽さん死去 (2/2ページ)

　５３年、師匠の円生とともに落語協会を脱退して落語三遊協会を立ち上げた。円生が亡くなった後は円楽一門の総帥として活動。６０年春には、寄席に出られなくなった一門の活動の場として東京都江東区内に寄席「若竹」を作ったものの平成元年秋に閉鎖。その後は独演会や一門会などで噺（はなし）を聴かせ、多くの弟子を育てた。

　三遊派の正統を受け継いだ師匠・円生ゆずりの人情噺を得意とし、「芝浜」「文七元結」「中村仲蔵」などが十八番だった。

　晩年は持病の腎臓病に加え脳梗塞（こうそく）を発症、１８年には２３年にわたって司会者を務めたテレビ番組「笑点」を降板、１９年２月２５日、東京・国立演芸場で「芝浜」を公演した直後、高座からの引退を表明した。

　昭和５２年に「藪入り」で芸術祭優秀賞、６３年に「中村仲蔵」で芸術祭賞を受賞した。