本気で笑える「建設的野党」の真実 -「いますぐ読みたい 日本共産党の謎」より-
「いますぐ読みたい 日本共産党の謎」 筆坂秀世・監修 篠原常一郎・著 (特別寄稿:佐藤優) 徳間書店
元共産党議員、筆坂秀世氏。元外務省主任分析官の作家、佐藤優氏の著作の愛読者ならよくご存知であろうが、かつての「鈴木宗男事件」において、外務省からリークされた情報をもとに「ムネオハウス疑惑」を追及したあの人である。
著者の篠原常一郎氏は筆坂氏の元秘書。現在は二人とも日本共産党から離れている。そんな二人が、「是非とも普通の人々に、日本共産党の実態を知ってもらいたい。」という想いで執筆したのがこの本である。
本書は、一般人からの偏見に満ちた問いに対し、著者が丁寧に答える、という一問一答形式で書かれている。私は本屋で偶然見かけ、目次を開いた時に、
「えーと、共産党は過激派じゃないんですか?違いましたっけ!?」
などと書かれているのを見て、即、レジへと持って行った。
とにかくこれ、面白い。本気で笑えるので電車や喫茶店で読むのはあまりお勧めできない、と言いたいところだが、あまりに面白いから職場の同僚に話し、勧めてみたら、みんな引いてしまい誰も笑わなかった。…これは一体。
以下、見どころをかいつまんで紹介しよう。
「共産党は決して過激派ではない。確かに60年安保闘争の頃は過激派だったかも知れないが、今では過激派に攻撃される身分になってしまった。もはや被害者なのだ。」
「小泉政権時代のいわゆる"グローバリズム"に共産党は反対していたが、共産主義とは突き詰めればまさに"グローバリズム"だ。ではなぜ反対していたかって?言うまでもない。超大国アメリカに対する反体制としての立場で反対していた。」
「前委員長の不破哲三は、マルクス、レーニンら共産主義指導者の研究にばかり熱心で、現代日本が抱えている問題にはあまり関心が無かった。彼のように、理論ばかりで実行力に乏しい共産党員は、「不破(前委員長)」「志井(現委員長)」「ファシスト」をもじってフワシイストなどと呼ばれている。」
最も衝撃的だったのは以下の二つ。さすがに笑えない。
「93年、細川護煕の連立内閣が発足した時、下野した自民党は、共産党から野党のノウハウを学んだ。政権交代が起こった現在、再び"自共共闘"は起こり得る。」
「共産党は天皇制を否定しているが、2004年、不破哲三は天皇陛下主催の晩さん会に出席していた。しかも普通に招かれたわけではなく、招待していただけるように外務省へ必至の根回しをしていた。」
国会議員はともかく、市町村議会の共産党議員には、本当に親身になって困っている人の相談に乗ってくれる人、地域の為に汗をかける人が多いそうだ。それだけは最後に付け加えておきたい。
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