兵庫県警公安ニ課は、４日、塾経営者・増木重夫容疑者と塾講師・遠藤健太郎容疑者を、暴力行為の疑いで逮捕しました。

http://www.kobe-np.co.jp/news/jiken/0001796024.shtml

小学校長脅した疑い　塾経営者ら逮捕　西宮　
　西宮市の小学校長を脅したとして、兵庫県警公安二課と甲子園署は四日、暴力行為の疑いで、大阪府豊中市柴原町、学習塾経営増木重夫容疑者（５６）と大阪市北区中崎西、塾講師遠藤健太郎容疑者（３６）を逮捕した。

　逮捕容疑は、昨年十二月と今年一月に西宮市の市立小学校を訪れ、女性校長（５６）に教育関係の団体メンバーを名乗って「西宮市教職員組合の役員を務める男性教諭を処分しろ」と要求。校長が断ると、「入学式に街宣車を出して抗議活動をする」などと脅した疑い。

　同課によると、容疑について増木容疑者は「校長に危害を加えるつもりはなかった」などと否認、遠藤容疑者は認めているという。

(4/4 21:45)

増木容疑者は、「教育再生・地方議員百人と市民の会」事務局長。



同会のHPはキャッシュは残っていますが、現在は以下のように、消えています。



増木容疑者の拠って立つ理論は典型的な「近頃の若い者は・・」というもので、その原因を日教組や男女平等に求めるものです。

実際には、少年の凶悪犯罪率などは、増木容疑者らの世代のほうが高いのですが・・。ニートなども、雇用政策の不備を指摘することなく、精神論や家庭の問題に摩り替えています。

　家庭の問題も結局は、長時間労働を強いる日本の労働条件と結びついているのですが、そのことを見落としているのが、増木理論の特徴です。

そんな増木容疑者は、昨年1２月と今年１月、西宮市の小学校に押しかけ、校長に対し、街宣車で入学式に行くぞ、などと脅した疑いで逮捕されました。

　増木容疑者は、この他にもこれまで、数多くの学校や役所、公共施設を訪問し、高圧的な態度で自らの要求を突きつけていた、という証言を複数の方からいただいています。

　しかし、何故かこれまでは見逃されてきました。（「逆国策捜査」ともいえなくもない）。

　ところが今回は３ヶ月前の事件について、今頃逮捕です。何かおかしい、と思うのが自然です。

　思うに、今回の逮捕は、北朝鮮ミサイルの発射がもうじき済むというタイミングです。
増木容疑者は日教組批判の他、拉致問題などでの北朝鮮批判、男女平等推進への反対活動で有名でした。

　さらに、最近では竹島問題を巡る韓国批判の活動にも力を入れていました。

　北朝鮮ミサイル発射までは、増木容疑者の北朝鮮批判は、権力にとり有用だった面だった。男女平等推進への批判は、特に小泉・安倍両政権の下では、新自由主義構造改革によりたまった人々の不満をそらすのには格好の材料だったと思います。

　増木容疑者たちに近い衆院議員・西村真悟さんが、積極財政論者だったのも好都合です。増木容疑者たちが過激な男女平等反対活動をすればするほど、積極財政論への反発も強まり、小泉純一郎さんが緊縮財政を強行しやすくなったというのはうがちすぎかもしれませんが。

　しかし、北朝鮮ミサイル（長距離）発射の後は紆余曲折はあるにせよ、アメリカと北朝鮮の「手打ち」が予想されます。北朝鮮としても現実問題、ミサイルをアメリカにぶっ放すことはありえない。アメリカとしては、実は中国への牽制として北朝鮮を利用している節があります。

　そうした中で、日本政府もアメリカに追随せざるをえない。

　そうした時、増木容疑者は邪魔なのではないか。そう思わざるをえないのです。韓国批判活動も度が過ぎると、政府の外交政策に取り邪魔ではないのか？

　男女平等推進反対（バックラッシュ）も、これ以上やられたら、自民党の支持基盤である経済界も困ります。そうはいっても、経済界としても、利潤追求の動機から女性の登用を進めざるを得ません。

　政府としても福田内閣以降はワークライフバランスを推進しています。そうした中で、増木容疑者は「国策に逆らう」邪魔者というわけなのかもしれません。

また、あまり、露骨に入学式妨害などされたら、右派にとっても迷惑でしょう。総選挙を前に、右派は、あんなアホな人たちばかりか、と思われ、支持されなくなるのは避けたい。

【右派】であっても、用済みなら、権力に都合が悪くなれば、逮捕され、消される。これが、自民党・公明党による長期支配が続く日本の現実のようです。

左翼が、ビラ配りなどで逮捕されたとき、冷笑していた右派の皆さんはそのことを、良く考えていただきたいと思います。

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