宮について
命盤のしくみ
■紫微斗数命盤の解読■
紫微斗数という占いは、意味のある12宮にはいった星たちの配合で判断しますから、そのロジックはとても簡単です。
おそらく、世界中でこれほど判断が容易な占いは類を見ないでしょう。
次に説明する、それぞれの宮に、異なった特徴を持つ星が配置されます。
その星たちのイメージさえつかめば、とても簡単に鑑定することができるのです。
【12宮+身宮】
紫微斗数では、人の命運を測るのに12の角度からのアプローチをします。
その人の特質を読み取る12の窓とも言えます。
命宮から父母宮まで12の宮があり、さらに番外として身宮というものがあります。
命盤に配置されたそれぞれの星がどのような特質を表現しているのか、それを読み取る基本となるものです。
(1)命宮
紫微斗数で人の命運を読み取る基本となる最も重要な宮です。
その人の性格、特性、運命の傾向の基本的なことがらがすべてこの宮に表現されます。
才能や職業の適性、そして成功の程度などを読み取ります。
また、基本的な健康状態や容貌などを見ます。
それと、6人に1人の割合で、命宮に主星がひとつも入らないことがあります。
それを専門用語で「命無星曜」という格になります。
詳しくは後述しますが、そういう場合は対宮にあたる「遷移宮」から星を借りて考察します。
(2)兄弟宮
兄弟姉妹との関係を見ます。あなたにとって兄弟姉妹がどのような人なのか、仲良く助け合うのか、あるいは反目し疎遠となるか、などを判断します。
しかし筆者の経験では、肉親よりもむしろ親友やライバルのほうが強く現れると考えています。
(3)夫妻宮
結婚相手および恋愛に関することを見ます。
配偶者のタイプ、性格、人相などが浮き彫りにされるだけでなく、結婚生活の状態を読み取ります。
また、恋愛傾向や好みの異性のタイプを判断することができます。
さらに、どのような恋愛の過程をたどるかも見ることができます。
いわば紫微斗数のもっとも得意とする宮だと言えます。
(4)子女宮
子どもに関することを見ます。
どんな子に恵まれるか、子どもの性格やタイプなどを判断します。
また、何人くらいの子どもが授かり、どんな状態で生まれてくるか、などを判断します。
ただ、他の宮と比べると、まれに当たらないことがありますので要注意。
むしろ子どもを作る行為、つまりセックスに関することが表現されますので、
わりとそちらの運勢を読み取るために使います。
(5)財帛宮
文字通り、財産に関することを見ます。
財運があるかないかはもちろんのこと、どうしたら財を得ることができるのか、
といったアドバイス的な読み取りも可能です。
金銭を得るのに適した方法がわかるわけです。
コツコツと働くことにより財を得るのか、突如として財を得るようになるのか、
つまりギャンブル運や自営業運、副業運などの傾向があらわれます。
また、官禄宮と合わせて判断することにより、勤め人に適しているのか、独立した自由業に適しているのかを判断します。
(6)疾厄宮
この宮は、健康状態を読み取ります。
かかりやすい病気は何か、健康上の弱点はどこかがわかります。
そして、息災を得るためにはどこに注意すればよいか、といったことを判断します。
また深読みが得意になれば、不慮の事故に見舞われるタイプか、それとも助かる傾向にあるのか、
その被害の状態なども、なんとなくわかってきます。
(7)遷移宮
移動に関することを見ます。
それは転居、転勤、旅行を意味します。
移動することにより良いことが起きるか、それとも悪いことが起きるのか。
あまり移動せずに一定のところにとどまるタイプか、忙しく外出するタイプかどうか、などを読み取ります。
(8)奴僕宮
基本的には、自分より立場が下の相手との関係を見ます。
後輩や部下、弟子などの人間関係を意味しますが、年下の友人の関係もあらわれてきます。
さらに広く自分の意見を求める人々や大衆との関係も判断します。
この宮が悪いと、経営者ならば部下に悩まされます。
またペットや家畜などの相性も、この宮で見てとれることもあります。
(9)官禄宮
仕事に関することを見ます。
サラリーマン体質なのか自由業が向いているのか。
得意な職種や出世するための方法もわかります。
ただし職業適性については命宮と合わせて判断しなければなりません。
それと財帛宮と照らしながら金銭の流れを考察し、
仕事に対する力量のかけ方などを調べれば、よりすばらしい回答が得られます。
(10)田宅宮
おもに不動産運を見ます。
不動産に恵まれるのか。
またどのようにして不動産を入手するのか。
自分が住む住居の環境や、尋ねてくれる人が多いのか少ないのか。
さらには結婚したあとの家庭内の状態も判断できます。
またこの宮には、じぶんの因縁めいた部分も色濃く洗われてきます。
くわしくは別項で後述します。
(11)福徳宮
この宮には眼に見えない精神性が現れます。
つまり深層心理的な側面ですね。
現実的な部分では趣味や娯楽の傾向を探ります。
すなわち人生において、どのような方面に楽しみを感じる人なのか、交際の方法などを読み取ります。
卓越すると寿命も読み取ることができますが、初学者にはお勧めしません。
(12)父母宮
文字通り、父母との関係を見ます。
自分にとって両親はどんな印象なのか。
両親との縁が厚いか薄いか。
父母から愛情を受けて育てられたのかどうか。
また、広い意味では年上や上司との相性なども判断します。
(13)身宮
以上に挙げた12宮とは別にもうひとつ、たいせつな宮が存在します。
「命宮」「遷移宮」「夫妻宮」「財帛宮」「官禄宮」「福徳宮」のどれかと同居するのが、この「身宮」です。
一般に「命宮は先天運を判断し、身宮は後天運を判断する」と言われています。
しかし身宮の見方には、現在のところ流派によってさまざまな見解が主張されています。
簡単にいうと、そのひとの最終的な目的を示すと考えていただければ結構です。
実際の見方
さて、以上の12宮を見る場合、まずはじめに重点をおかなければならないのは、
とうぜん「命宮」です。
その他の各宮は、さらにその人の運命のパーツをテーマごとに深く分析することに用います。
紫微斗数の命盤には、人生の規則が裏付けされているのです。
1 まず親があり(父母宮)
2 自分が生まれ(命宮)
3 兄弟も生まれて友人もでき(兄弟宮)
4 結婚し夫婦となり(夫妻宮)
5 子女を授かり(子女宮)
6 生活のためにお金を稼ぎ(財帛)
7 健康を維持するために気を使い(疾厄)
8 海外旅行などにも行くようになり(遷移)
9 出生して部下を持ち(奴僕)
10 ついには事業を起こし(官禄)
11 不動産を手に入れ(田宅)
12 隠遁して趣味に生きる(福徳)
という人生の十二の変化を表わしているのです。
この順番は、すべての人に共通で変わることはありません。
ここで注意しなければならないことがあります。
それは父母宮、兄弟宮、子女宮、そして奴僕宮は、あくまで自分とその相手との関係を表しているということです。
自分の両親、兄弟、子どもがどのような運命をたどるかという客観的な判断はここからは導き出せません。
それらのことを知ろうとするならば、それぞれの人の命盤を作成し、それによらなければなりません。