「かなりの速さで接近」と証言 前方貨物船の船長関門海峡で海上自衛隊の護衛艦くらまと衝突した韓国籍コンテナ船の前方にいた貨物船船長が、運輸安全委員会の30日の調査に対し、事故直前の状況について「自分の船は右に緩やかにかじを切った。後続のコンテナ船はかなりの速さで接近してきた」と証言していることが分かった。 第7管区海上保安本部(北九州)もレーダー記録などからこうした状況を把握。コンテナ船が貨物船を安全に追い越せる状態になる前に、約2倍の速度で接近を続けたことが事故につながったとみて調べている。 調査は貨物船が停泊中の広島県・福山港で行われ、聴取内容を同安全委の担当者が報道陣に明らかにした。 それによると、航路の中央付近にいた貨物船は、事故約4分前に7管の関門海峡海上交通センター管制官からコンテナ船の存在を告げられた際、「右にコースを取るので右側を追い越されては困る」と左側追い越しを求め、右にかじを切った。 貨物船に後方から迫ってきたコンテナ船との距離について、貨物船船長は「100メートル以上はあったと思うが、かなり接近してきた。自分の船に非はない」としている。 7管によると、コンテナ船は当時、貨物船の約2倍の12~14ノット(時速22~26キロ)で航行。貨物船の直前で左に急旋回し、くらまとぶつかった。 7管は貨物船が事故直前に減速した可能性もあるとしているが、貨物船船長は「減速はしていない」と同安全委に話した。7管はかじを切ったことに伴う自然な減速とみている。 【共同通信】
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