Welcome to Mamoru Oshii Blog Site
押井守監督の作り出す世界がとても好きである。そして監督の作品が単なるアニメとしか評価されない事が理不尽でたまらない。非常に優れた映像作家として非常に有能な職人としてもっともっと同監督の世界を知って貰いたいと願う。

2006年08月03日

澁澤龍彦

最近貪るように読んでいるのが澁澤龍彦氏の著作本である。非常に広範囲に世俗的になりそうなテーマ、エロス、魔術、玩具、宗教・・・を興味本位では無くしっかりとした視点で紹介している。以前から『イノセンス』には澁澤氏の著書から影響を受けているという事もあり読み進めていたのだがその驚異的な世界には感服するばかりだ。

実際に押井守監督がどこまでを参考にしたのか判断する事は出来ないが例えば人形に関するセリフの多くは澁澤氏の著書からの引用も多い。生命の宿っていない人形、屍体、そういうものへの情景的な部分などまさにそのものであろう。

もうひとつ、これは引用ではなくてアイディアを拾ったであろう部分も多々ある。これはたまたま押井さんの趣味と澁澤氏の趣味があったものであろうが澁澤氏の著書でヒントとなる文言、引用が多数出てくるのだ。人形に関してのアイディアはここが源なのかもしれない。四谷シモン、ヴォーカーソン、ハンス・ベルメール、人と似ていて異なる存在を作り出す思想などなど上げればきりが無い。ここから新しい資料に読み進めたかもしれないしさわりだけ引用したのかもしれない、ただ興味深い話が多く非常に楽しめる。

もっとも固定観念に固執した頭で読むとクラクラするので柔軟に対応出来る余裕がある時に読むべき本であろう。

  
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント:

この記事へのトラックバックURL
http://blog.seesaa.jp/tb/21864030

この記事へのトラックバック