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【放送芸能】

『週刊フジテレビ批評』 18年目のリニューアル

2009年10月24日 朝刊

リニューアル後、最初のコメンテーターは上智大の音好宏教授(右)だった。ゲストは報道記者時代以来、25年ぶりの生放送出演となった豊田皓社長(左)

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 視聴者とともにテレビを考える番組「週刊フジテレビ批評」が、今月から「新・週刊フジテレビ批評」(毎週土曜午前5時〜同6時)にリニューアルされた。テレビ界初の自己検証・批評番組としてスタートしてから十八年目。三十分から一時間に枠を拡大し、この種の番組としては異例の生放送になった。 (近藤晶)

 「テレビが一方的に視聴者に語るだけでなく、視聴者とテレビ局がお互いに語り合いながら番組作りを進めることが、よい番組を作り、放送文化の向上につながる」

 「フジ批評」が始まったのは、一九九二年四月十七日。第一回の放送に出演した当時の日枝久社長(現会長)は、こう番組の趣旨を説明した。番組審議会(番審)、社外モニター制度に続く「第三の検証機能」として、昨年三月に放送八百回を達成した長寿番組だ。

 これまでは、毎週土曜午前五時半開始の三十分間。番組やテレビ界に対する視聴者の意見・批評を紹介し、局側の見解を伝えるほか、毎回一つのテーマについて、司会がゲストに話を聞くというのが主な構成だった。

 リニューアル後は、午前五時からの「めざにゅ〜」を取り込む形で一時間の生放送になり、ニュースや天気予報も盛り込まれた。福原伸治チーフプロデューサー(CP)は「テレビの特性を考えると、生放送でその週にあったことをできるだけ反映した方が、よりテレビらしい批評ができる」と狙いを説明する。

 番組改編期にあたる今月三日のリニューアル第一回は「改編期になぜ特番が多いのか」をトピックとして取り上げ、特番に対する視聴者の意見を紹介。翌週十日は、放送前日に行われた放送倫理・番組向上機構(BPO)の青少年委員会によるシンポジウムを受けて、同委員を務めるジャーナリスト・小田桐誠さんをゲストに迎え、「テレビと若者」をテーマに議論した。これまでの収録とは異なり、生放送になったことでテレビにかかわる旬のネタに対応できるようになった。

 「ややもすれば制作者とか内部に向けてメッセージを出しているきらいもあった。やはり、視聴者とテレビという原点に戻るということ」と福原CP。「新・フジ批評」では、テレビの原点に戻ろうというメッセージから、映像機器やモニター調整のために流す「カラーバー」をモチーフに、番組ロゴやスタジオセットも大幅にリニューアルした。司会は、武田祐子アナウンサーは続投するが、入社一年目の時に担当していた奥寺健アナがカムバック。また、ゲストとは別に新たにコメンテーターとして、メディア研究者四人が毎週交代で出演する。司会とゲストだけでなく、専門家の視点を加えることで、より立体的な批評を目指している。

 二十四日の放送のゲストは、同局の番組審議会委員を務める脚本家・大石静さん。その後の番審では、同番組が審議される予定。福原CPは「後半のトークは、前の『批評』から大きく変えていないが、テレビと他メディアとのかかわりといった要素をもっと取り入れていきたい」と意欲的だ。

 この種の番組は、他の在京民放キー局でも放送しているが、放送時間はフジを含め、いずれも週末の早朝。視聴者の立場としては、もう少し見やすい時間帯に放送してほしいのだが…。

 「視聴率は関係なくはないんですけど、しっかりしたものが出せるというのはある。番組に即した枠というのはあるはず。ゴルフに行く人とか、土曜早朝というのは意外に見られてるんですよ」(福原CP)

◆他局の自己検証番組

 日本テレビ「あなたと日テレ」

(毎週日曜午前5時半〜同45分)

 TBS「TBSレビュー」

(毎月最終日曜午前5時半〜同59分)

 テレビ朝日「はい!テレビ朝日です」

(第1・3日曜午前4時50分〜同5時20分)

 テレビ東京「みんなとてれと」

(第2・4日曜午前6時20分〜同30分)

 

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