JR東、非電化区間走る電車「スマート電池くん」公開
10月30日2時42分配信 産経新聞
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JR東日本が開発した「NE Train スマート電池くん」。パンタグラフが下がっている=さいたま市大宮区の大宮総合車両センター(写真:産経新聞) |
[もっと見る] 運転席や室内の様子 ずらりと並ぶ蓄電池ユニットも
JR東日本によると、スマート電池くんは、ディーゼル列車が走る非電化区間の環境負荷の低減を目的として、約1年半かけて開発された。予算は約5億円。
現在、JR東日本の路線約7500キロのうち、非電化区間はJR八高線の高麗川駅−倉賀野駅間など約2000キロある。
スマート電池くんの車体には1個の重さ約700キロのリチウムイオン蓄電池が9個搭載されている。架線がある区間ではパンタグラフを上げて通常の電車と同様に走行し、非電化区間ではパンタグラフを下げ、蓄電池だけで走行する。
充電は駅で停車中にパンタグラフを通じて架線から行い、走行距離10キロ分の充電を5分で行うことを目標としている。
ディーゼル列車と比べ、エコが特徴のスマート電池くん。排ガスはゼロで、騒音も小さいという。
CO2の排出量に換算して比較すると、ディーゼル列車1両を1キロ走行させると1747グラムのCO2が出るが、スマート電池くんは715グラムで済むそうだ。
開発の課題は、架線は1500ボルトだが蓄電池は600ボルトと、異なる電圧を車内で制御するシステム。また、蓄電池の安全性の確保が難しかったという。
今後は平成22年1月にJR宇都宮線での走行試験を計画。その後、非電化区間での走行試験や、充電するための地上設備の開発などを予定している。
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最終更新:10月30日8時18分