記者会見の冒頭で頭を下げる、江川清一社長(中央)、工藤淳宜品質保証部長(左)ら関係者=29日午前、県庁
九州乳業(九乳、本社・大分市)が出荷した牛乳に品質劣化の可能性があるとして、2度にわたって自主回収していた問題で、九乳は29日に大分県庁で会見を開き、30日から学校給食向けなど自社ブランド商品の製造・販売を再開すると発表した。しかし、殺菌後の牛乳を貯蔵タンクに移す際のバルブのパッキンを内規通り交換していなかったことが判明。ずさんな管理のあったことを当初は公表しようとしなかった。
会見冒頭、江川清一社長が「消費者や得意先、酪農家に対して大変なご迷惑をお掛けした」として陳謝。その上で、牛乳・乳製品の生産ラインを休止して実施した緊急点検により、問題の原因を特定し、第三者機関による検査で製品の安全性を確認できたと説明。製造を再開するとした。
しかし、原因に関して「予想できないパッキンの変形があった」などと説明するにとどまり、その後の記者からの指摘で、6カ月と定められた交換を10カ月間していなかったことを認めた。
九乳は私的整理により抜本的な経営再建を目指しており、6月から役員を一新して新体制で経営に臨んでいる。景気後退などによる消費不振に加え、今回の回収問題が経営再建に悪影響を及ぼす可能性も出てきた。
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