ここから本文です

日医・唐澤会長「包容力が欠けていた」

10月26日10時50分配信 医療介護CBニュース

 日本医師会の唐澤祥人会長は10月25日の第121回臨時代議員会の冒頭であいさつし、先の衆院選の結果を受け、「他の政党の多様な価値観を認める包容力が欠けていたことは否めない」とした上で、今後国民に寄り添った政策提言を行っていくとの方針を示した。

 唐澤会長は、「新内閣は勝利の要因として、(国民の)政治へのやりきれない不信感、従来型の政治・行政の機能不全への失望と、それに対する強い怒りを掲げている。私はこの言葉をそのまま重大に受けとめている」と述べた。
 その上で、政権与党としての自民党を支持してきたが、「他の政党の多様な価値観を認める包容力が欠けていたことは否めない」と振り返り、「日医としても国民の思いに寄り添い、国民の生命と健康を守る責任を全うする決意を一層強くした。『医の本道』に立ち、正しい方向性をもってあらためて医療現場の問題を整理し、国民生活を支えるためのあるべき医療について、現場の担当として提言していきたい」と述べた。
 また、新政権に訴えたいこととして、▽外来患者一部負担割合を引き下げること(0歳から義務教育就学期間中の子どもの外来医療費は無料化し、義務教育修了後の現役世代は、現在の3割負担から2割負担に引き下げ、70歳以上は一律1割負担にする)▽診療報酬の大幅かつ全体的な引き上げ-を挙げた。産科、小児科、救急医療の充実と、病院勤務医の過重労働緩和については「最優先課題」とした。

■進退問われ「これからも戦う」
 臨時代議員会で行われた質疑応答では、大澤英一代議員(奈良)が、唐澤会長が日本医師連盟会長として「政権交代を予想していなかった」と衆院選の総括をしたことに対し、「国民の動向、会員の声にあまりにも無頓着であるように思う。会員はこのことに関して先行き不安に陥っている」と指摘。その上で、▽責任を取って退陣されるつもりはないのか▽続投される場合、来年の会長選に必ず出馬し、会員の審判を受けるつもりはあるか-の2点について回答を求めた。
 これに対し唐澤会長は、日医連として、「政治の先の流れを予測する責任がある」とした一方、「それに関する明確なエビデンスを持っていない」と述べ、今後、エビデンスに基づいた政治活動の方針を明確に打ち出さすための改革が必要であると回答。その上で、続投の意思については、「いろんなものを自分で積み重ねてきたので、それをどこまで実現できるか、『医の本道』のどこまで歩めるのかを求めているところで、まだどこかに到達したわけではない。私は私の道で進んでいきたいと思っている」とし、会員からの同意が得られれば「私は誠心誠意、身命を賭して日本医師会のために頑張るという覚悟でいる」と述べた。
 また、川島龍一代議員(兵庫)の日医執行部の総辞職を求める声に対しては、「世界の先進国で、二大政党がある国々で、政権交代が行われて医師会の執行部が全員退陣したという国がどこにあるか。正々堂々とエビデンスに基づいた、国民の思いに沿った医療政策を提言し、これからも戦っていく」と述べた。


【関連記事】
支援団体との関係、「一回考え直さねば」−自民・谷垣総裁
日医連、「政権与党である自民党」支持方針を撤回
「勤務医の意見を反映する医師会に」―原中会長
新政権への「提言」を厚労省に提出−日医
勤務医への健康支援で健康相談実施−日医

最終更新:10月26日10時50分

医療介護CBニュース

 

関連トピックス

主なニュースサイトで 日本医師連盟 の記事を読む

ブログパーツ

国内トピックス