今年のドラフトで最も注目を集めた菊池は、6球団が1位指名した。6球団の競合は、2007年の大学生・社会人ドラフトの大場(ソフトバンク)以来で、1985年の清原(西武)79年の岡田(阪神)と並ぶ。日米の球団が争奪戦を繰り広げた大器への高い評価を物語る。
一方で、期待の高まった史上最多8球団超えは実現せず。1位候補に挙げていたロッテ、ソフトバンクは直前になって競合を避ける選択をした。
「外れ1位」の重複指名もなく、競合選手は菊池のみ。有力選手が少ない「不作の年」の表れで、抽選を外した場合のリスクを回避して実を取る傾向が際立った。日本ハムの梨田監督は「菊池と(他の選手と)の差があり過ぎたというドラフト」と語った。
巨人は予定通り3年越しで長野を単独指名。菊池の交渉権を獲得した西武は、内、外野手をそろえるバランスの取れた補強になった。広島は甲子園で活躍した今村、堂林といった将来性豊かな選手の指名に成功し、投手力に悩む阪神は右の二神、左の藤原と、大学生投手を1、2位で指名した。