長妻昭厚生労働相は26日、診療報酬の配分を決める中央社会保険医療協議会(中医協、厚労相の諮問機関)の委員のうち、自民党の支持母体だった日本医師会(日医)の推薦枠を従来の3人からゼロにすると正式発表した。開業医の発言力が強い日医の影響力を薄める代わりに、民主党の考えを支持する病院関係者などを増やし、来年度の診療報酬改定で病院の勤務医に手厚く対応する。
診療報酬は国が医療行為ごとに決める医療費の単価で、その動向が医療機関の経営や医師の収入に与える影響は大きい。厚労相は記者会見で「(勤務医の不足問題を抱える)病院への手当てが緊急の課題だ」と述べ、開業医重視とされた旧政権からの政策を転換する考えを強調した。
日医に対しては「診療報酬の改定で開業医を優先させてきた」との批判がある。開業医の診療報酬が優遇された結果、病院勤務医の年収は開業医の約半分しかなく、なり手不足が深刻化。救急病院などでは超過密勤務が社会問題にもなっている。(26日 23:31)