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【プロ野球】

菊池雄星きょうドラフト 中日・山本昌に弟子入り志願

2009年10月29日 紙面から

ドラフト会議を控え心中を象徴するかのような空の下、神妙な面持ちで調整する菊池=岩手県花巻市の花巻東高で(由木直子撮影)

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 雄星が中日・山本昌に“弟子入り志願”した。プロ野球のドラフト会議が29日、東京都内で行われる。中日が1位指名を狙う花巻東高の菊池雄星投手は28日、同校で記者会見し、竜投の大ベテラン・山本昌投手から「いろいろ学びたい」と熱烈志願。阪神入りした城島健司捕手とのバッテリーも熱望するなど、あこがれのプロへ夢を広げた。高校生投手史上最多の7球団が競合する可能性もある怪物左腕。メジャーも欲しがった18歳の行方が、いよいよ決まる。

 44歳の呼び掛けに18歳が目を輝かせた。「一緒にやりたい」。竜の大ベテラン・山本昌が27日に発したラブコール。運命はくじ次第。同じチームになる保証は何もない。それでも、不惑の200勝投手のメッセージに、菊池は笑顔で反応した。「山本昌さんのようなベテラン選手たちから、いろいろアイデアを聞きたい。実はそれがプロで一番、楽しみにしていること。自分は研究や知ることが好きなので」

 1カ月に10冊以上の野球本を読むという“研究の虫”。当然、投げる伝説・山本昌は最高の教科書になりうる。同じ左腕。頑丈な肉体。今も衰えぬモチベーション…。知りたい。取り入れたい。夢が膨らむ入団後。もちろん、プロへの“予習”も怠りない。セ、パ両リーグのクライマックスシリーズ(CS)は全試合チェックし、配球や駆け引きを勉強した。

 「今まではボーッと見てましたが、プロを意識して目線が変わった。どうやったら抑えられるか、と見ています」

 国内宣言した25日は涙を見せたが、「メジャーのスカウトに申し訳なかったから」と強調。そのメジャーから日本球界に復帰した城島にからみ、「全日本で一度はバッテリーを組みたい」と日の丸への思いも吐露した。もう、メジャーへの思いは完全に封印。あとは、抽選結果を待つだけだ。

 「どのユニホームが似合うかなぁ、と仲間とは話します。でも、ユニホームで野球をするわけじゃない。どこに行っても、その球団でベストを尽くします」

 獲得意思を持つのは7球団。袖を通すのはドラゴンズブルーか、それとも…。日米を巻き込んだ空前の争奪戦。その終止符が打たれた瞬間、18歳の新たなドラマが始まる。(寺西雅広)

 

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