ニュース 速報 YOMIURI ONLINE(読売新聞)
現在位置は
です

本文です

池の州浜、曲水跡見つかる

高島・朽木池の沢遺跡 貴族の庭園意匠確認

玉石が敷き詰められた州浜の跡(高島市の池の沢遺跡で)

 高島市朽木村井の庭園遺構「池の沢遺跡」(13世紀初頭)で、池の州浜や曲水跡が見つかり、市教委が28日発表した。2006年度からの調査で、遺跡は都の有力貴族の山荘だったと推定されており、市教委は「貴人が避暑地で『曲水の宴』などを楽しんだのではないか」としている。

 州浜の遺構は3か所で出土。池底に玉石を敷き詰め、水位の昇降に応じて玉石が現れるようにする庭園意匠で、大きさは南北約20メートル、東西約5メートル。州浜などの状況から、少なくとも13世紀初頭には東西約40メートル、南北約50メートル以上の水をたたえた園池で、その後、水の流れを重視した曲水(幅2〜3メートル、長さ約50メートル)の庭に改修されたとみられる。

 市教委によると、遺跡周辺は藤原氏の荘園だったと記す文献があり、皇子が隠せいしたとの伝承もある。平安時代以降も「朽木の杣(そま)」などと多くの和歌に詠まれ、往時から都と縁が深い“秘境”だったという。

 現地説明会は31日午前10時。問い合わせは市教委文化財課(0740・32・4467)。

 尼崎博正・京都造形芸術大教授(造園学)の話「平安時代の京都で好まれたチャート(堆積(たいせき)岩の一種)で石を組み、平安―鎌倉期の庭園意匠が確認できた意義は大きい」

2009年10月29日  読売新聞)
現在位置は
です