フィギュアスケート女子の浅田真央(19)=中京大=が、日本スケート連盟の橋本聖子会長(45)=参院議員=との直接面談に応じる考えがあることが27日、分かった。浅田のマネジメント会社の幹部が明らかにした。浅田はこの日、2位に終わったグランプリシリーズのフランス杯と、5位と惨敗したロシア杯から帰国し、成田市内で会見。復活への最大のポイントとして、失敗続きのトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)を挙げ、「百発百中にする」と強気に宣言した。
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橋本会長の提言に、浅田が応じる構えを見せた。マネジメント会社の幹部は「これまでの報告もあるし、このままの体制でいきたいということも伝えたい」と話した。浅田自身も、夏冬合わせてオリンピックに7回出場し、“五輪の申し子”と言われた連盟のトップと会うことに前向きだという。
開幕からの不振を懸念している橋本会長は25日に、浅田を取り巻く環境の整備を訴えていた。コーチ、マネジメントを含む“チーム真央”について「周りが適切にアドバイスできないようでは終わっている。持ち上げる人ばかりではだめ。いい方向に持っていける人間を周りに付けないと」と苦言を呈していた。
その上で「必要があれば会って話したい。本来の力を発揮させるためには、何が原因でどうなっているかを素直に分析しないといけない」と、“直接会談”も示唆していた。浅田側が応じる考えを示したため、日時や場所など、詳細は今後詰めていく見込みだ。
帰国会見に臨んだ浅田は、復活への強い決意をにじませた。「1試合で3発入っているトリプルアクセルを、百発百中でできるようにしたい」。百発百中という言葉を4回も使い、完全無欠のトリプルアクセル習得を宣言した。
ショートプログラムで1回、フリーで2回、武器のトリプルアクセルを取り入れた今季の“金メダルプログラム”。試合では8回挑み、成功は1回ながら「一番アピールできるもの。跳ばないと始まらない」と、強いこだわりを口にした。
関係者は「タラソワコーチとプログラム修正をやってきた」と、“詰め込みすぎ”のプログラムの緩和に着手したことを明かした。浅田は「プログラム構成、スピン、スパイラル。“ここ”というところを見つけるまでやる」として、ジャンプ以外の要素も洗い直していく考えだ。
次戦の全日本選手権(12月25〜27日、大阪)で、バンクーバー五輪代表を懸けた一発勝負に挑む。「オリンピックで金メダル、という目標を変えずに頑張りたい」。大きな夢を再確認して、再び歩き始める。