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家系図の情報源について

家系図を作成するにあたり、どこから情報を得るのか?ここがすごく大切になってきますね。
ここでは考えられる情報源をあげてみたいと思います。

1. 人から話しを聞いて情報を得る。
家系図の情報はすべて紙の資料で残っているとは限りません。戸籍謄本、除籍謄本を取り寄せても傍系の情報は入手でき
ないことがほとんどです。となると、両親、祖父、親戚から話を聞いて家系図を作成することになります。 話を聞いて情報を
収集するコツは、まず知っている情報だけで家系図を作成してしまうことです。 作成した家系図がたたき台となり、歯抜け
となっている情報を知っていそうな人に聞いてまわるのです。 家系図を見せて質問すれば、教える人も説明しやすいので
色々なことを思い出して話してくれると思います。まず家系図をつくることがコツですね。 そして親戚から家系図の情報を
聞くときにはプライバシーの問題には注意してください。身内にさえ知られたくないことがけっこうあるものです。けっして
無理に聞き出そうとはしないようにしてください。

2. 戸籍謄本、除籍謄本を取り寄せて情報を得る
戸籍(除籍)謄本の取得は、お金もそんなにかかりませんし、郵便でも1〜2週間くらいで簡単に取り寄せることが出来ます
のでご自分で取得されることをおすすめします。
まず戸籍の種類について簡単にご説明します。


1)戸籍の種類 大きく3つの戸籍があります
@戸籍謄本 現在使われている戸籍のことを言います。夫婦と子供を単位とした出生から死亡までの身分関係を記録・
  証明したものです。家族の名前、現住所、本籍所在地、出生年月日などが書かれています。
A除籍謄本 一戸籍内の在籍者全員が、死亡・婚姻・分籍等で、その戸籍から全員除かれると除籍謄本という扱いにな
 ります。除籍謄本は法律で保管期限が80年と決まっています。それを過ぎると廃棄されるおそれがありますので家
 系図を作成しようと思っている方はすぐに取り寄せてください。
B改製原戸籍 昭和32年に戸籍法が改定されるまで使用されていた戸籍のことを言います。家制度を踏襲したもの
 で家族だけではなく戸主を中心とした数代にわたる一族の名前や生年月日などが書かれています。1つの戸籍に
 祖父から孫、さらには兄弟の家族まで記載されていますので家系図の情報としては大変重宝するものです。
※ 壬申戸籍 そして現在見ることができませんが、明治8年に戸籍法が発布されたときに作成された壬申戸籍があり
 ます。この戸籍は身分制度が反映されたものであることから差別問題につながるとして現在は使われておらず一般
 には閲覧することもできません。

改製原戸籍についてもう少し説明します。
 戸籍法や規則により戸籍の編製単位・様式が改められた場合に新しい戸籍の用紙に書き替える事を改製といい、書き替え
 る前の戸籍を改製原戸籍といいます。

 主な法令改正では、昭和32年の改正があり、戦前の家単位の戸籍から戦後の夫婦単位の戸籍へと書き替えられました。
 いまある改製原戸籍のほとんどがこの時期のものだと思います。この戸籍の特徴は戸主を中心とした家族全員が記載され
 ていますのでたくさんの名前が書かれています。
 また戸籍業務のコンピューター化(H16.7.10改製)に伴い、今までの紙による戸籍は『平成改製原戸籍』として保管されるよ
 うになりました。

 あと謄本と抄本の違いですが、
  ・戸籍(除籍、改製原戸籍)抄本とは、一つの戸籍(除籍・改製原戸籍)の中の一部を写したものです。
  ・戸籍(除籍・改製原戸籍)謄本とは一つの戸籍(除籍・改製原戸籍)全部を写したものです。
 家系図の戸籍を取り寄せる場合は出来るだけ多くの情報がほしいですから抄本ではなくて謄本で取り寄せてください。


2)戸籍の取得方法 自分で窓口に直接行って取得する方法と郵送で取得する方法の2つの方法があります。
@窓口請求
  ●請求できる方
     ・本人
     ・直系の親族と配偶者(夫・妻・子・孫・父・母・祖父母)、または同一戸籍に記載のある方
     ・その他(代理人含む。代理人の場合は 本人の委任状が必要になります)
  ●持参するもの
     ・ 印鑑(認印でも構いませんがシャチハタ印は不可です)
     ・ 代理人の場合は 本人の委任状
  ●手数料
     ・戸籍謄本 ・・・ 1通につき450円
     ・除籍および改製原謄本 ・・・ 1通につき750円
     ※役場によって価格が違うかもしれませんので念のため役場でご確認ください。

A郵便請求
  ●同封していただくもの
     ・申請書(役場指定の書式でも自作の書式でも可。記入事項は後述します)
     ・本人確認できるもの(免許証・パスポート・保険証などの写し)
     ・ 返信用封筒( 切手を貼り、住所と氏名を記入します)
     ・手数料(郵便局で定額小為替を購入)
     ※手数料である定額小為替は、どのくらいの戸籍の数があるのか事前に把握できないケースがほとんどです
      ので、余分に同封しておくことをおすすめします。もし余ったとしても換金できますのでご安心ください。
      (役場担当者に確認してください)
  ●申請書の記入事項
     ・住 所
     ・電話番号(平日の8:30〜17:00に連絡が取れるところ)
     ・氏名 及び 押印( 認印で可、シャチハタ印は不可)
     ・本籍
     ・戸籍の筆頭者氏名
     ・どの戸籍が何通必要か
     ・使用目的

下の画像は実際に役場のHPでダウンロードできる申請書です。役場によって違いますがだいたいこのような項目ですの
でご参考までに。(このような所定の書式ではなくて、自分で紙に下記項目を書いて送っても可です)



必要事項を記入し、必要なものを同封しましたら下図のようにして郵送すればOKです。



3.菩提寺から情報を得る
菩提寺とは、先祖代々の墓や位牌をおき、菩提を弔ってもらうお寺のことです。檀那寺(だんなでら)と言ったりもします。
江戸時代の檀家制度の影響で、必ず武士も庶民も必ずどこかの菩提寺の檀家になることが義務付けられていましたので
菩提寺と住民の結びつきが深かったのです。ですから菩提寺に個人情報が残っているケースが多いのです。 檀家制度は
もともと江戸時代のキリスト教禁圧政策の一環として生まれたものです。いまのお寺は葬儀専門ですが、江戸時代のお寺
は冠婚葬祭(主に葬儀)、寺子屋などの教育、戸籍の管理などの役割を担っていました。その菩提寺には、過去帳、宗門人
別帳、墓、位牌が保管されており、これらを調べることで家系図の情報を入手できます。

・過去帳(かこちょう)
  過去帳とは、故人の戒名(法号・法名)、俗名、没年月日、享年(行年)、居住地などが書かれている帳簿のことです。過去
 帳は菩提寺と自宅用の2対作られるのが一般的です。分家する場合、過去帳を複写していきます。



・宗門人別帳(しゅうもんにんべつちょう)
 宗門人別帳とは、江戸幕府がキリシタン禁止政策の重要な手段として始めた宗門改めと、戦国末期の人別改めが複合
 されて明治初年頃まで続けられてきた戸口報告のための帳簿のことです。今で言うと住民台帳にあたります。



・ 墓(はか)
 墓は、死体(または遺骨)を葬り、故人を弔う場所のことです。一般には墓石・墓碑などを置きますが墓石・墓碑のことを
 墓ということもあります。この墓にも情報が刻まれています。主な情報は戒名、俗名、地名、没年月日などです。



・ 位牌(いはい)  位牌とは、死者の戒名・法名などを記した木の札のことで江戸時代に一般化しました。
 位牌には戒名と俗名がセットで書かれていますので過去帳や墓石に戒名のみ書かれている場合は位牌で情報を一致
 させることができます。位牌は自宅の仏壇などに安置する本位牌とお寺に納める寺位牌があります。お寺に納められた
 位牌は位牌堂や本堂内に安置され朝夕の勤行の際に供養されています。





4. 神社から情報を得る
神社(じんじゃ)とは、神道信仰に基づいて作られた宗教施設のことです。神社にはさまざまな神さまが祀られているので
すが、その中でも「氏神さま」と呼ばれる神さまを祀っている神社は土地の神さま(鎮守の神)として、その土地に住んでい
る住民と密接なつながりがありました。 中でも氏神さまをお参りをするなど崇敬心を表し、神社の行事に参加する人を
「氏子」と呼び、氏子になっていた人の情報が神社に残されているケースがあります。

5. その他の施設から情報を得る
先祖が武士の場合、各藩で作成した分限帳に情報が残っている可能性があります。分限帳とは、武士が藩に仕官するとき
に家系図を殿様に提出するルールがあり、この情報をもとに作った名簿を分限帳と言います。 分限帳とは、各藩が記録し
た自藩に所属する武士の名簿のようなものと考えて頂ければ良いかと思います。 県立図書館以上の規模であれば各地で
分限帳は保管されていますのでご先祖が武士であったという方は調べてみて下さい。 また分限帳は藩によって呼び名が
違っていることがありますので注意してください。(例:侍帳)




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