婚活サギ女に新疑惑かかわった６人死亡

　埼玉県警に詐欺などの疑いで逮捕、起訴された東京都豊島区の無職の女（３４）とかかわった男性４人が不審死した事件で、新たに別の２人の男性が不審な死を遂げていることが２８日、分かった。これで、女とかかわった男性６人が不審死していたことになる。新たに死亡が判明した男性２人の遺体発見現場ではいずれも練炭が見つかっており、女が詐取した金額は結婚詐欺も含めて１億円を超える。同県警では殺人事件の疑いもあるとみて捜査を続けている。

　埼玉県警と警察当局の捜査関係者などによると、この日までに、自殺を図ったとみられていた男性２人が、詐欺罪で起訴された女とかかわりがあったことが明らかになった。いずれも女と接点を持った後に死去しているという。時期や場所などの詳細は明らかにされていないが、２人とも関東地方在住の男性で、自宅で死去していた。

　同県警の調べによると、女はパソコンを使って今年４月～８月の間に複数回にわたって練炭をまとめ買いしていた。亡くなった６人のうち、千葉県野田市の無職安藤建三さん（８０）、東京都千代田区の会社員大出嘉之さん（４１）の遺体発見現場からは、練炭の残骸（ざんがい）が見つかっており、一酸化炭素による中毒死とみられている。

　さらに、女と交際していた東京都青梅市の会社員寺田隆夫さん（５３）も練炭による一酸化炭素中毒で死亡していたことがこの日までに分かった。寺田さんが周囲に「結婚できるはずだったがだめになった」と語った直後に亡くなっていたことや、部屋が施錠されていたことなどから、警視庁は当初自殺と判断していたが、殺人の疑いもあるとみて捜査する方針を固めた。

　ほかの３人の中にも、遺体発見現場で練炭の残骸（ざんがい）が発見されていたケースがあったという。また、女が所持していたしちりんが、死去した男性の遺体近くにあったものと同じタイプだったことも新たに判明。同県警では、女が大量に練炭を購入した目的や、用途などについても調べを進める。

　詐欺罪で起訴された女については、すでに起訴された事件以外にも、結婚詐欺を繰り返していた疑いが浮上している。起訴事件の被害者男性以外にも、有料の出会い系サイトを通じて知り合った男性数人と“交際”し、昨年以降に計約２０００万円を搾取した疑いで、同県警が捜査を進めている。

　［2009年10月29日8時5分　紙面から］