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市政と政策
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個人立『りんごっこ保育園』問題と日本共産党の保育政策について

◆問題の発端とその後の経過

 問題の発端は、東村山市が多すぎる保育所待機児の解消を民間に依存し、上記のように引き下げられた国基準での保育園の建設でもよしとしたことです。東村山市は保育水準の維持、確保にまったく注意を払いませんでした。
 そして、個人のプライバシーを盾に、情報非公開にした事も重要な誤りでした。都による認可寸前の状況まで、市議会、児童育成計画推進部会、認可園園長会にも園名、設置者、運営形態等々が明らかにされず、市が情報公開に踏み切った時は、建物、定数などを含めて都の認可がほぼ決まり、改善要求も行えない状況になっていました。
 さらにことを複雑にしたのは設置者高野氏の不誠実な態度です。市議会厚生委員会や児童育成計画推進部会などから出席、説明の依頼等があってもほとんどを拒否するというもので、市民の理解を得られにくい状況を自らが作り出してしまいました。

《議会で保育の質の確保を求める請願、意見書採択》
−日本共産党はガイドラインの作成を提案−
 こうしたことに保育関係団体、市民から非難の声が高まり、2002年12月定例市議会に、「待機児童の解消は、保育の質を確保し、多くの関係者の協力が得られる公明正大な方法で行う事を求める請願」が提出され、2003年3月定例会で、草の根市民クラブを除く全会派の賛成で採択されました。
 日本共産党市議団は、議会での議論の際、「東村山市の保育水準を守るため、独自の保育ガイドラインをつくれ」と主張しました。市議会では、この主張を取り入れて「認可保育園の設置基準の作成と予定されている新設保育園の拙速な認可の取り消しを求める決議」を採択。3月定例会最終日には「良質な保育水準を保ち、良好な保育サービスの提供が行えるよう認可保育園設置に伴う国基準の見直しを求める意見書」も採択し、国、都に送付しました。東村山市保育園連絡協議会からも「東村山市における認可保育園の保育水準を守り、早急に保育のガイドラインを作成するための要望書」が提出されました。
 このように市民の声が高まる中で児童育成計画推進部会もガイドラインの作成を提言。それを受け市は2003年12月16日、「東村山市私立保育所設置指導指針」を作成、公表したのです。

《りんごっこ保育園・高野氏は改善に努力すべき》
 こんなに盛り上がった保育内容の改善を求める市民、市議会の声を受け、設置者の高野氏は定員の削減、園庭の設置など市と協議し、努力をするなど弾力的な姿勢を示すべきでした。しかし、厚生委員会への出席も拒否するなど非協力的な態度は誠に遺憾と言わざるを得ません。

《りんごっこ、つばさ両保育園の運営費補助金カットの修正案、与党が提出》
 −日本共産党は定員の縮減、園庭の確保など改善することを要求−
 りんごっこ問題を一層複雑にしたのは当時の与党、自民、公明、市民自治クラブ(民主、社民)、それに生活者ネット、環の会が、りんごっこ保育園の開園を実力で阻止するとして審議中の2003年度一般会計予算案から「りんごっこ保育園」と同時に、同年建設開園が予定されていて何ら問題のない認可園「つばさ(仮称)」の補助金も含め全部カットする修正案を提案、可決したことです。りんごっこ保育園はその時点ですでに園舎は都、市の指導を受け完成していたのに2003年4月開園をストップさせられました。また仮称・つばさ保育園も、2003年度中の開園を予定していたのに2004年11月20日現在なお開園に至っていません。
 日本共産党市議団は、「りんごっこ保育園は現在の市内認可施設から施設内容が大きく劣っているとはいえ国の設置基準に合致している。いま市議会が行うべき事は、定員の縮減、園庭の確保、園舎のより一層の安全性の確保など市民、保護者が納得できる改善を求めることである。修正案は、市内に177人(当時)の待機児がいるのに待機児解消に市議会は消極的と受け止められる。市議会はもっと保育所増設の議論をすべきだ。」として「りんごっこ」と同時に「つばさ」の関係予算を全てカットする修正案には反対しました。
 自民、公明、市民自治クラブ、生活者ネット、環の会は待機児の問題、保育所増設の必要性など一顧だにせず、予算を削除したのです。

《りんごっこ保育園・高野氏が損害賠償訴訟》
 4月開園を阻止された高野氏は2003年5月、認可しなかった都、市を相手取って損害賠償請求を東京地裁に提訴。2004年4月21日、裁判長より和解勧告があり、都も市も和解交渉に臨みました。和解交渉は6回目の7月12日、(1)定員を4名減らし77名とする、(2)都は認可にかかわる準備を始める、(3)開設時期は10月1日、(4)開設した時点で高野氏は提訴をとりさげる、の4項目で合意に達し開設準備が始まりました。

《日本共産党市議団が市に対し、四項目の提案》
 日本共産党市議団は、2003年3月定例会で市独自の保育ガイドラインの設置、りんごっこ保育園定員の削減、園庭の確保などを主張してきた立場から、9月24日、市長に改めて
(1) 定員の更なる削減
(2) 園庭の確保(2004年中の土地貸借契約)
(3) 保育材料費が極めて少ない(年額8万円)といわれているが他園並に増額させる
(4) 近い将来個人立から法人立に変更させる
という4項目の申し入れを行いました。
 市長、助役は「市としても同じ思い、努力する。」と回答しましたが、補正予算専決処分審査の論議において、日本共産党保延議員の質疑に定員の引き下げはできないと答弁するなど、市が積極的に改善するという姿勢が見られず、実現の保証が得られませんでした。
 日本共産党市議団は、りんごっこ保育園の開園に頭から反対ではありません。なぜなら、この園舎は東京都と東村山市の国基準をクリアすれば良いとの考えの下に指導され、結果これでよいとして建設されたものであり、一概に高野氏だけの責任とは言い切れないこと(もちろん全く責任が無い訳ではありません)です。だからこそ日本共産党は、よりよい環境整備を行い開園させることで待機児を幾らかでも入所させてあげることができるように上記の提案を行ったのです。しかし、東村山市、設置者共に改善を取り入れる立場になく、保証のない現状では「りんごっこ保育園」の開園に反対せざるを得ないという立場を明らかにしたのです。
 日本共産党は、これからも問題になってきた定員の削減、園庭の設置、保育室の改善などは「東村山市私立保育所設置指導指針」(平成15年12月26日設定)に基づき、市と高野氏が誠意をもって協議を続け、児童及び保護者の立場からの改善を求めるものです。



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