<空想科学祭2009>レビュー/感想掲示板


[153] 「世界の中心で愛と愛と愛と愛を叫べば、けもの。」chap. Name:空想科学祭2009 Date:2009/09/20(日) 17:32 [ 返信 ]
【題名】世界の中心で愛と愛と愛と愛を叫べば、けもの。
【あらすじ】《ハラ・エリス》の文字を名に含む日本国籍の女性四人が同じ時間、別々の場所で重大犯罪を起こし、地球はパニック!逮捕された四人のハラ・エリスは別々の証言台に立ちながらも、同時刻、まったく同じ言葉を口にした。「わたしたちは世界中のみんなを愛している。あなたたちみんなを!」。この奇妙な事件を受けて交叉支点管理局月面基地に調査要請。度重なる超現実空間へのダイブで感覚も倫理観も麻痺気味の少年少女=コクーン・ダイバー/先天性交叉能力者たちは、今夜も究極の中心《クロスホエン》に挑む!
【名前】chap.
【URL】http://ncode.syosetu.com/n0274i/novel.html



[209] 高みに君臨する笑い Name:秋は戻り鰹 Date:2009/09/27(日) 12:51
 今企画注目の一人、本領発揮の一作、と言ってしまおう。
 好き嫌いに別れる、万人向けでない、などという在り来たりのレビューなど鼻で嗤ってずだだたたんずだだだだだーん4人のハラ・エリスに切り刻まれ弄ばれるのがオチ。
 そのためか、何度か読み返す時間を得るためなのかレビューがこの時点まで付いていない。はて、困った。誰か切れ味鋭いレビュアーに任せて退散すればいいのだが、妙に話したい欲求に駆られるのも事実。そこに山があるから。そこに作品があるから。宿業とはよく言ったものだ・・・ジョークだが。

 ピカソやダリの「気分が乗っている」時の作品は人の理解に妙な理屈を取り込んでしまう。それは果たして画家が意図したものかどうか。時として意図はするだろうが、単に鑑賞者を煙に巻いているだけではないか?静かに作品を堪能するには、そんな恐れ多いことを考えた方が余程精神衛生上よろしい。
 空は緑色だ。時計は曲がっているものだ。女の鼻は左側90度曲がって付いているものだ。
 そう考えてしまえば作品鑑賞に妙な雑音を招かないで済む。
 人は無意識に意味を考える。裏を見ようとする。もちろん意味はあり、裏もあるだろう。しかし、そればかり見てしまえば、作品本来が持つ輝きを見失う恐れもある。
 フェルメールの絵に技巧を見出し、構図や光線の具合に気を取られれば、その絵が本来持っている庶民の生活の生生しさや、寓意に隠された作者の目を見失う。それ以上にその作品が輝く理由、何故人はその作品に惹かれるのか、を逸してしまう。その両方を見て初めて作品は理解出来るのであろうが、研究者でない限り、そこまでする必要もないだろう。
 美しいと感じ、奇妙と感じ、哀惜を感じ、旅愁を感じる。その簡素で素直な感覚が作品の本質であることが多い。
 このchap.ワールドもその手の読者の直感・感性を験す。分からなくてもいい。無理な理解は雑念を生む。すれば本質を見失う。何度も繰り返しになるが、字面で感じた「ほー」「へー」「うぇ」そのままでいい。
 エロイ、キモイ、クサイ、イタイ・・・なんでもいい、感じたそのものが鍵だ。ストーリーを追うのはそれからで構わない。
 因みに私は終始笑い通しだった。ダイブのハチャメチャな世界。不思議と感じないマガマガさ。イギリス文学が時に秘める笑えない笑い。笑いの質は実に黒いのかもしれない。しかしそれは小坂氏に感じたユーモア、栖坂氏に感じた喜劇性、それとは3極目の笑いだ。
 いや、今回、主催には申し訳ないが「空想科学」を飛び越えて、実に面白い展開になっているのではないだろうか?


[214] この調味料何ですか? Name:栖坂月 Date:2009/09/28(月) 13:16
読み始めの印象は『大丈夫なんだろうか、この人』という感じでした(笑)
グレイマンズ〜の方を先に読んでいなかったら、110番していたかもしれません。それくらいのインパクトに襲われましたね。ですが、こうして読み終えてみて、グレイマンズとは明らかに違う読後感に酔っています。
綺麗なんですよ、筋と展開が。文章の端々に存在している一見意味の不明なひらがな記号を時に読み解き、時に無視して全体を眺めてみると、とても美しい旋律が浮かび上がってくるような印象があります。イカレているんじゃないのかと思わせておいて、その実見事に整然とした話を魅せられ、困惑しているくらいです。
もしこれを料理と例えるなら、見たことも聞いたこともない調味料を使った絶品料理、それもコース料理のようなイメージです。そう思うと改めて、グレイマンズは不思議なコース料理の中の一皿だったのだろうと、奇妙な納得をしてしまいました。対してこちらは、コース料理としての体をしっかりと整えているように見受けられます。とても美味しいのはもちろんですが、全体に流れがあり、締めの満腹感までしっかりと楽しませていただきました。
ところがですよ。この味の基本となっている調味料が、また謎なんです。
なるほど、この調味料をこう使ったから美味しいんだな、という納得感がないんですよ。
この情緒不安定にも思える一人称を未熟な作者、例えば私のような人間が真似して使ったとしたら、確実に『文体は統一した方が良いでしょう』と言われる自信があります(笑)しかしこの作者、chap.さんがそんなことを言われるハズはありませんし、言うべきでもありません。この方は自分の手で調味料を作り、それを独自に使いこなしていらっしゃる、感服すべき技能であると思いました。
読むの大変、みたいに脅されていたので恐々と読んだのです(笑)が、もう少し長くても良かったかなと、最後に無謀な呟きを残して去ろうと思います。


[224] RE:「世界の中心で愛と愛と愛と愛を叫べば、けもの。」chap. Name:尚文産商堂 Date:2009/09/29(火) 22:15
リズム感あふれる作品だったと思います。一つ一つの言葉にリズムが生まれ、それが最後までずっとつながっており、読後に謎の高揚感やら寂しさなどが入り混じった複雑な感情を残していきました。ふとした時に読んでみたくなるような感じの作品に仕上がっていると思います。

[313] RE:「世界の中心で愛と愛と愛と愛を叫べば、けもの。」chap. Name:あるれん Date:2009/10/12(月) 23:11
な、なんだこれは。作者の脳内を見せ付けられたというか、原義的な意味でのマインド・マッピングとでも言うか。
卓越しているのは、これがただの無秩序ではないこと。湧き出てくる単語の一つ一つに何かしらの連関性が(意識的か無意識的かはさておいて)現れている。要するに壮大なマジカルバナナなのだが……なぜこんなに笑えるのだろう。それが不思議でならない。
世の中にはトイレを一個置いて、「はいこれ芸術です!」と言い張る人もいる。ある種高慢な理解の拒絶は前衛芸術に共通するもので、得てしてそれらはしらけ、興ざめ、古語で言うならすさまじきものを伴うのだが、この作品はそんな甘っちょろいものではない。腹を抱えて笑ってしまった時点で、もう自分はこの作者の足元に跪いたも同然だ。
この作品は評価を拒絶する。誰か、この世界に呑まれずにいられる人がいるのなら、是非とも正当なレビューをして欲しいものだ。

一つだけ確として言い切れることがある。この作品は最高に面白い。うふうふうふふうふふふふ。


[394] 見たことも無い世界に突き落とされました〜! Name:鳥野 新 Date:2009/10/19(月) 21:44
 いや、サイコー。堪能した。日本版サイバーパンク。
 読み進めていくと、めくるめく蛍光色・原色のイマジネーションが頭の中で破裂する。すごい迫力。アクセルを吹かしすぎてコントロールを失っているように見せかけながら、気がつけば本道に戻っているそのドライビングはすごい。一つ一つの文章が、鮮やかで、リズミカル。
 今夜もダ・ダ・ダ・ダイブ!と心の中で呟けば候、柘榴の果実も空中回転、じゅわんじゅわわん果汁飛ばして伝染感染糖尿病!しゃらんら〜。
 とか、
「ああ最高!脳味噌最高!」
 のくだりとか、読んでいてわくわくが止まらない!
 イマジネーションの洪水、筋があるのだか無いのだか、煙に巻かれているうちにすっかり物語の深部にダイブさせられている。自分が果たして本当にこのストーリーを理解できたかどうかは定かではないが、でも、ダイブはできた。サイコー!


[448] 感想 Name:中瀬美嘉 Date:2009/10/23(金) 23:37
 気持ち悪い/意味不明/グロすぎ。いずれの言葉もこの作品の前では称賛にしかならない。脳内展開するのはリアル映像ではなくあくまでクレイアニメ的/幻想的妄想。モノクロアニメと言うよりもパステル/アーティスティックな連続画像。思い切って一緒にダイブしてしまえばこんな感じに脳内同化してしまう。
 これは一気読みに限る。
 あまりに放送禁止用語がバンバン飛び交い、ああこれは明らかに閲覧禁止部類だなと想いながら読んでいたが、知らぬうちには待ってしまい上の段落のようにすっかり毒されてしまう。何という影響力。
 現実/超現実の境目がわからなくなって今どっちだったかなと思う点が何カ所かあった。それは狙いだったのかどうか不明だが、現実部分の背景描写をもう少し丁寧にしてくれたら解決できたのでは無かろうか。
 言葉の魔術に引っかかり、多少展開に難のあるところが上手く誤魔化せているのが実に羨ましい。これは文章を楽しむものであって、画像変換は脳内にとどめるべきであろうな。でなければ更なる非難が飛び交うこと間違いない。


[556] RE:「世界の中心で愛と愛と愛と愛を叫べば、けもの。」chap. Name:右野前条NEW Date:2009/10/28(水) 23:38
「Graymans-RONDO」でも感じたことだが、
この作者の描くショッキングな性的あるいはグロテスクな描写の根本には、取り敢えず眼を惹く作品を……という考えがあるように思えてならない。
この作品のストーリー(エキセントリックな描写を全て除いた上での)の根本に、それらの描写が本当に必要であったかといえば、恐らくそうではないからだ。
成る程、他者の書かない狂気に満ちた描写を描けば、安易に注目は得られるだろう。手っ取り早く、名は売れるかもしれない。
が、それは所詮、どこまでいっても悪目立ちの延長線上でしかない。
確かにオンリーワンかもしれないが、参加者が1人のレースでトップになることを嬉しいと感じるかどうか、だろう。

それから。
たとえ不条理で壊れた感覚を狙った作品であっても、最低限の倫理はあって然るべきだろう。
目を引くためであれば何をしても構わないというのは、全く、作品がどうこう以前の問題として如何なものかと思う。
恐らくこれも作品にインパクトを与えるための姑息な発想なのだろうが、
実際の事件、それも多くの被害者を出した凄惨な事件を、敬虔さの欠片も感じさせないふざけ切った描写で書き散らすというのは、些かモラルに欠けると断じざるを得ない。


[559] 異議有り Name:野次馬NEW Date:2009/10/29(木) 00:52
 作品から作者の創作姿勢まで推測,断定した上貶める発言はレビューや感想の範疇を超えていると思われます。
 作品に対する酷評ならまだしも作者まで罵るとは見ていて不快極まりない。創作家としての態度を疑います。
 企画側が公の場で「姑息な売名行為」と非難するのは誹謗中傷では無いと言うのなら構いません。
 右野前条氏にはもう一度自分の批判文を見直してもらい適切な修正対応を取る事を強く要求します。
 対応があり次第この不適切な発言は削除します。


[560] >野次馬さん Name:天崎剣@管理人NEW Date:2009/10/29(木) 05:00
この掲示板はあくまで感想とレビューを掲載するためのものです。
一人一人の感性や考え方を否定するものではありません。
確かに右野さんの感想は極端な非難に思えなくもありませんが、それは右野さん自身が「この作品の注意書きを読んだ上で」作品を読んだ感想なのですから私は否定しようがありません。
合う、合わないはその人の感性や生き方とも直結する部分でありますので、千差万別でよろしいと私は思います。読んだ結果、右野さんが不快に思われることもあっておかしくないわけです。
作品を書くchap.さんがわざとらしく「売名行為をしている」ように見えたのも「姑息な発想をしている」ように見えたのも、些か言葉は過ぎますけども右野さんの感想なのでしょう。作品を読んで不快感のあまりこういった書込になってしまったのだと思います。

不適切かどうかといわれますと、なかなか難しい問題ではあります。
また、右野さんのこの一つのレビューだけを削除対象とすることも難しい現状があります。
今回「空想科学祭2009」レビュー/感想掲示板内においては、実に忌憚ない感想等々が寄せられていまして、上記の書込以外にも辛口過ぎたり一見して非難としか受け取れないような書込も散見できるからです。
右野さんの上の書込を削除することは他のレビュアーの書込についても中身を精査しその一つ一つに対して「レビュー/感想」か「誹謗中傷」に分類されるのかを見極める必要が出てきます。これは550前後寄せられている書込数から見ても現実的に困難です。

あくまで正直な感想の一つとして残しているのですから、企画サイドでは削除や修正依頼をすることが出来ません。
これらの書込を見て右野さんがご自分の考えで書込を見直し修正するかどうか判断なさるでしょう。書込には責任を持つ、当然のことです。こうした(否定内容も含んだ)書込をしたということはそれなりの覚悟があると見て間違いないはずです。

最後に。
>野次馬さん
意見はご尤もですが、こうした書込によって企画内で既に作者退会やレビュー降板、レビュー削除にまで発展したトラブルが発生しています。事情を知らぬとはいえ、安易にこのような書込をするのはご遠慮いただきたかったです。
ここはあくまで「感想」「レビュー」を載せるための掲示板であって、その内容について議論する場ではありません。企画についてのお問い合わせやご意見は企画掲示板に新規スレッドを立てた上でどうぞお話しください。

一連の書込については削除の必要はありませんが、野次馬さんの書込が削除された場合はこの書込も一緒に削除いたします(ログを見て不自然さが出るのを防ぐため)。
尚、直接感想やレビューをしていない書込はレビューポイントの対象にもなりません。
あしからずご了承くださいませ。



  


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