26日に行われたK-1ワールドMAXのチャンピオンシップ・トーナメントで初出場初優勝を達成し、魔裟斗(30)=シルバーウルフ=から引退試合の相手に指名されたジョルジオ・ペトロシアン(23)=イタリア=が、右第2中手骨骨間部を骨折していたことが27日、判明した。Dynamite!!(12月31日・さいたまSA)出場に黄信号がともり、魔裟斗の引退試合が大ピンチに陥った。
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都内で会見したペトロシアンの右手はギプスで固められていた。「準決勝の山本優弥戦ですごい痛みがあって、決勝のアンディ・サワー戦で悪化させた感じ」。会見の段階で骨折の診断は出ておらず「骨折は考えたくない。一日でも早く回復させて、魔裟斗と良い試合をしたい」と闘志をかき立てていた。
さらに「できるだけ早く魔裟斗のカルテを作らなければならないと思っている。完成させるのにそんなに時間はかからない」とも言った。ニックネームの“ザ・ドクター”らしい表現で魔裟斗の分析を明言したが、状況はすぐに暗転した。
会見後、都内の病院で検査した結果、骨折が判明。ペトロシアンはイタリアに帰国後、現地の病院で受ける予定の詳しい検査で、全治期間が分かる見込みだ。
会見に同席したK-1の谷川貞治イベントプロデューサーは「全治2カ月なら無理。1カ月なら微妙」との見通しを示した。欠場の場合は魔裟斗の“本命”だったアンディ・サワーに対戦相手を変更する方針を明らかにした。
魔裟斗にとっては、最強の男との戦いで有終の美を飾るという引退プランが、軌道修正を余儀なくされるかもしれない。前夜の帰り際、谷川氏に「新型インフルエンザの予防接種を受けたいので、何とかしてくれませんか?」と依頼した。万全のコンディションで臨むべく動きだしていただけに、やきもきさせられる非常事態。今は、ペトロシアンがケガをもねじ伏せると信じるしかない。