尼崎の「環境ロードプライシング」、車種拡大提案で合意できず

　尼崎公害訴訟の和解に基づく兵庫県尼崎市南部の大気汚染対策のため、大型トラックと大型バスを対象に４月から通行料を割引している「環境ロードプライシング」について、国土交通省と阪神高速は２８日、訴訟原告団との連絡会で大型以外への対象車種拡大を正式提案した。しかし、原告側が割引条件が厳しいと反発、合意しなかった。

　車両総重量８トン、最大積載量５トン未満のトラックと定員２９人以下のバスは現在、割引対象になっていない。阪神高速はこのうち、東日本、中日本、西日本の高速道路会社３社が発行する自動料金収受システム（ＥＴＣ）カードを使い、事前登録した車両の割引を提案したが、原告側の合意は得られず、１２月の次回連絡会に持ち越した。

　ロードプライシングは阪神高速５号湾岸線の一部で通行料を３割引きにすることで、阪神高速３号神戸線と国道４３号の車両を減らす狙い。