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【政治】

シベリア抑留日本兵らに給付金 政府、最高150万

2009年10月28日 21時17分

 約60万人ともいわれる日本人将兵らが戦後、旧ソ連圏で過酷な強制労働に従事、多くの犠牲者を出したシベリア抑留をめぐり、政府は28日までに、最高1人150万円の特別給付金を支給する法案をできるだけ早期に国会に提出し、成立を図る方針を固めた。

 戦後処理の終結を理由に、感謝状や旅行券などによる「慰藉」の事業に限定してきた自民党政権の原則を転換、現金支給により「補償」の性格をもたせる。

 韓国人元BC級戦犯や元従軍慰安婦が求めている他の戦後補償にも影響を与えそうだ。

 元抑留者の平均年齢は80代後半。元抑留者が国家賠償を求めた訴訟で京都地裁が28日、請求を棄却しながら、立法措置の必要性に言及したことなどから対応を急ぐ。

 臨時国会はほかに優先法案があるため、政府は公明党などに賛同を働き掛けるとともに提出のタイミングを探っている。

 法案は、抑留者の「多大な苦難」や「強制労働の対価の支払いを受けていないことなどの特別の事情」を踏まえ、抑留期間に応じ5段階に分類。25万〜150万円の支給を定めている。

 政府は生存する元抑留者の数を、7万〜10万人と推定。抑留期間3年以下で25万円の受け取り資格がある元抑留者が最も多いとみられる。10年以上の元抑留者は、士官や憲兵など旧ソ連で戦犯とされた人々が多い。

(共同)
 

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