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護衛艦積載のペンキに引火か 艦首部分に大量保管

2009年10月28日15時8分

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 関門海峡で27日夜、海上自衛隊の護衛艦「くらま」と韓国籍のコンテナ船「カリナスター」が衝突した事故で、「くらま」の艦首部分に積んであった大量のペンキに引火し、激しく炎上した疑いがあることが、防衛省や海上保安庁への取材でわかった。防衛省は出火の経緯などを詳しく調べる。

 事故は27日午後7時56分ごろ発生。「くらま」(艦長・柏原正俊1等海佐、5200トン、乗組員297人)と「カリナスター」(7401トン、乗組員16人)が衝突し、双方が炎上した。「くらま」の乗組員計6人が資材の運搬中に転倒したり、消火作業中に煙を吸い込んだりして負傷。このうち4人が病院に運ばれたが、いずれも症状は軽いという。

 「くらま」は艦首部分から激しく炎上し、28日午前6時半ごろようやく鎮火した。鎮火までに約10時間半かかった。「カリナスター」は約40分後に鎮火した。

 海上幕僚監部によると、「くらま」は艦首部分に船体や甲板を塗り直すためのペンキ缶やペンキを塗ったはけなどを洗うためのシンナーを積んでいたとされる。海自の艦船や海保の巡視船などは船体の腐食を防ぐためペンキを積んでおり、航海の途中や停泊時に乗組員らが塗装している。

 「くらま」は25日に神奈川県の相模湾で実施された観艦式に参加。外遊中だった首相の臨時代理として訓示した菅直人副総理ら要人が乗艦して部隊を視察した「観閲艦」だった。観閲艦になった場合や指揮官の交代式などの前には、艦全体が塗り直される「全塗装」が実施されることが多く、大量のペンキなどを積んでいた可能性があるという。

 27日夜の防衛省の記者会見で、海自トップの赤星慶治海上幕僚長も火災の原因として「衝突した付近にペンキ缶を保管している倉庫がある。火災の可能性として推測できる」などと話した。

 艦首部分にはいかりを操作する機器の配線があり、ある海自幹部は「衝突の際、配線から出火した可能性もある」と推測している。

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