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掘り出しニュース:ヤミ金:「困っている人ほっとけやん」…取り立てなし 70歳に有罪判決

 ◇取り立てないヤミ金

 無登録、高金利で金を貸したなどとして、和歌山市の無職の女(70)が貸金業法違反(無登録)罪などに問われた。3年間で総額約1100万円を貸していたものの、借り主の半数は生活に困った知人で「無利息、取り立てなし」、回収は300万円だけという不思議な“ヤミ金”だった。公判で「困っている人をほっとけやん(ほっとけない)」と話していた被告は27日、和歌山地裁(国分進裁判官)で「実質的な利益を得ていない」と執行猶予付きの有罪判決を言い渡された後、「これで金貸しをやめられる」と笑みを浮かべた。【藤顕一郎】

 判決は懲役1年、執行猶予3年、罰金30万円(求刑・懲役1年、罰金30万円)。判決などによると、被告は知事の登録を受けずに、市内の女性に法定利息の4倍で計13万5000円を貸した。このほか被告は、最高で月10%の利息で総額約1100万円を約40人に貸していた。しかし、半数は生活保護を受けている知人らで、無利息のうえ貸付額も1人数千~2万円ほどだった。

 被告は夫と離婚後、喫茶店を経営。実子2人に加え、両親を病気で亡くした知人の子ら6人を育てあげた。以前から、金に困った知人らには「わしの(金)は気持ち入っちゃあるぞ。やり直すんぞ」と、無利息で金を貸していたという。

 利息をとり始めたのは3年前。自宅を改装した際、「材料代200万円を立て替えて」と業者に頼まれて貸したのをきっかけに、折からの不況もあってか口コミで瞬く間に広がった。面識のない相手も増え額も大きくなり、公判で「もうける気持ちもあった」と認めている。それでも取り立てはあまりせず、回収はあまり進まなかったらしい。

 判決を言い渡された被告は「ありがとうございました」と深々と頭を下げた。法廷を後にしながら「これからは好きな日本舞踊をして過ごしたい」と話し、“困っている人には優しいヤミ金”からの決別を宣言した。

2009年10月28日

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