2009-10-26 雲が薄くかかり肌寒い
曽野綾子日本郵政社外取締役「”ユニバーサルサービスの維持”は過疎地への甘やかしである」
日本郵政の斎藤次郎次期社長体制下で新たに就任した、作家で保守系評論家の曽野綾子日本郵政社外取締役(78)は、記者団に対し「過疎地や離島などで声高に主張されている”郵政インフラによるユニバーサルサービスの維持を”の声は、既に恵まれた日本の通信・インフラ環境下での”甘え”から出る詭弁に過ぎない」と断じ、「聖域なき郵便局ネットワークの集約を行っていきたい」と語った。簡易郵便局閉鎖を始めとする”地域のライフライン”の危機をどう乗り越えるかと言う点でも注目された人事だったが、更なる郵便局閉鎖に拍車が掛かる事も予想され、郵便局ネットワークの維持に黄色信号が灯った状態となった。
曽野新取締役は既存の郵便局ネットワークについて、「”足るを知り、礼節を重んずる”日本人の美徳から見れば、現在の郵便局ネットワークは余りに恵まれすぎている。アフリカや南米では貯金や保険はおろか、まともな通信手段を持たないながらも、懸命に生きている人たちが沢山いる。今日日電話一本で何でも手に入る現代の日本において、何故税金を浪費してまで各過疎地・各島に人員を配置しなければならないか、その点がどれだけ無駄であるかを含め取締役会で訴えていく」「郵便局の存在は地域に欠かせないコミュニティだというが、そんなものは住民たちが自分たちでお金を出し合って能動的に作り上げて行くものだ。いつまでも国や企業に甘え続けるようでは”誇りある国づくり”はできない」「外務員の中では、用もないのにお年寄りの自宅に上がりこみ、雑用も買って出る”よろず相談”的な存在でもあるといわれているが、それは重大な職務規定違反だ。そう言う無駄な人員の存在が、今の郵便局会社がゆうちょ銀行に”おんぶにだっこ”状態の収益状況を作り上げている。積極的に整理する。現代の日本では例え職にあぶれても、戦火もなく、今日食べるものがないというのでもなく、動物のように雨に濡れて寝るという家に住んでいるのでもなく、お風呂に入れず病気にかかってもお金がなければ完全に放置される途上国暮らしでもない生活が送れるのだ。なにも困らない」などと語り、地方を中心とした大規模な人員削減をも辞さない整理を進めて行くと明言した。
なお、曽野氏の社外取締役就任について、国民新党の綿貫民輔最高顧問(党前代表)(82)は「すばらしい人事」を賛意を表明し、「私も82歳だがまだまだ元気。郵政の表舞台で最後の華を咲かせるのも悪くない」と意欲を表明した。
http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/enterprises/jinji/20091026-OYT8T00772.htm?from=yolsp
関係者によると、曽野氏の起用は亀井金融・郵政改革相と、日本郵政の次期社長に内定している東京金融取引所社長の斎藤次郎氏(73)が強く希望した。経済界以外からも人材を起用し、郵政改革に幅広い意見を取り入れる考えとみられる。曽野氏も、政府が閣議決定した郵政民営化見直しの基本方針に賛同しており、就任を内諾しているという。
【正論】新しい年へ どこまで恵まれれば気が済む 作家・曽野綾子(産経新聞)
http://sankei.jp.msn.com/life/trend/080109/trd0801090253000-n1.htm
http://mainichi.jp/select/seiji/news/20091026k0000e010075000c.html
- 2009-10-26 文藝評論家=山崎行太郎の政治ブログ 『毒蛇山荘日記』 9/153 5%