福岡県飯塚市で92年2月、小学1年の女児2人が殺害され遺体が山中に捨てられた「飯塚事件」で、殺人と死体遺棄などの罪に問われ、死刑が確定、執行された久間三千年(みちとし)元死刑囚について、その妻(62)と弁護団が28日、「当時の鑑定は未熟で、元死刑囚と真犯人のDNA型、血液型は一致しない」として福岡地裁に再審請求した。飯塚事件は、すでに再審が始まった「足利事件」と同じ方法のDNA型鑑定の結果が証拠の一つとなっていた。
弁護団によると、再審が認められれば、死刑執行後としては初のケースになる。
再審に必要な新証拠は、足利事件のDNA型再鑑定も手がけた筑波大学の本田克也教授による鑑定書。本田教授は、元死刑囚の遺品から採取した毛髪などを改めてDNA型鑑定するとともに、当時の鑑定方法を検証し、結果は誤りだったと指摘している。
元死刑囚をめぐる裁判では、一、二審ともDNA型鑑定の結果に加え、(1)遺体発見現場付近で元死刑囚の車と同じ車種の車を目撃したとする証言(2)女児の服に付いていた繊維が元死刑囚と同車種のシートの繊維とほぼ一致(3)元死刑囚の車から被害者と同じ血液型の血痕が検出された、などの状況証拠を総合評価し、死刑もやむを得ないと判断。06年の最高裁判決も元死刑囚の上告を棄却し、08年10月に死刑が執行された。
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《飯塚事件》 福岡県飯塚市で92年2月20日、登校中の小学1年生の女児2人が行方不明になり、翌21日に2人の遺体が約30キロ離れた国道沿いの雑木林から見つかった。事件から約2年半後の94年9月、県警は被害者と同じ校区に住む久間元死刑囚を死体遺棄容疑で、同10月に殺人容疑で、それぞれ逮捕。久間元死刑囚は捜査段階から無罪を主張したが、99年9月の一審・福岡地裁判決は状況証拠を総合して死刑と判断した。福岡高裁(01年10月)、最高裁(06年9月)も一審を支持し、08年10月に死刑が執行された。