新型インフルに高齢者施設はどう備える?
新型インフルエンザに、特別養護老人ホームなどの高齢者福祉施設はどう備えるか―。東京都社会福祉協議会は10月27日、社会福祉施設の関係者らを対象にセミナーを開いた。講師として、東京都総務局総合防災部情報統括担当課長の齋藤實氏や、厚生労働省の医系技官の木村盛世氏が登壇。有症者は出勤させないようにすべきと強調したほか、発症者の続出で施設のマンパワーが不足した時にどのサービスを優先するかなどの計画を、あらかじめ立てておくべきと指摘した。
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厚労省の現役医系技官が国の新型対策を批判 齋藤氏は講演で、都の新型インフルエンザ対策について紹介。また、施設では「集団発生を防ぐことを重視してほしい」と求め、職場に感染者を入れないよう、有症者は「積極的に休ませて」と呼び掛けた。さらに、発症した職員は「熱が下がってから2日間は出勤しない」ようにすべきと指摘。特養などの入所者が発症した場合は、個室などに隔離することが必要だとした。
木村氏は「新型インフルエンザ対策を検証する」と題して講演し、厚労省の新型インフルエンザ対策の問題点などを指摘。また、日本の職場では「熱があっても仕事に出る」ことがしばしばあるが、かえって周囲に迷惑を掛けることになり、有症者は休むべきとした。
続いてセミナーでは、講師2人に都内の施設関係者が質問する形でシンポジウムが行われた。
齋藤氏は、新型インフルエンザの流行で職員が休まざるを得ず、施設の配置基準を満たせなくなった場合にどうすべきかとの質問に対し、「(厚労省からは)今の施設基準を弾力的に運用していいとの通知はない」とし、人員が減った場合にどのサービスを優先すべきかなどを事前に考えておくことが必要だと述べた。
また、職員の家族が新型インフルエンザにかかった場合に、職員が仕事を休まざるを得なくなると、施設のマンパワーが不足し、休む職員も心苦しいとの意見に、齋藤氏は「都では、家族が感染した場合でも休む必要はないとしている」と説明。職員を休ませる余裕がある施設は差し支えないが、「休むべきとは考えていない」と述べた。木村氏も、そもそも「濃厚接触者」という概念は、封じ込め可能な感染症に適用可能なものだと指摘。今回の新型インフルエンザの場合、「家族が感染しているからといって、休む必要はない」とした。
更新:2009/10/28 16:29 キャリアブレイン
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