今朝の産経は政治面で、首相官邸の内閣総務官室が、鳩山由紀夫首相や平野博文官房長官らの臨時国会での答弁に関し、各省庁に「答弁メモ」作成を文書で指示していた件について「『官房長官の指示』 各省庁が通達、本人は否定」と報じています。まあ、私も「脱官僚依存」という鳩山内閣の目指すところはおおむね賛成(私はむしろ「脱官僚主義」「脱官僚病」の方がいいと思っています)なのですが、その実情は…というお話ですね。
まあ、資料集めや政府見解との整合性などについて、官僚を働かせることは当然ではあるかもしれません。でも、素直にそう納得するには今までの言動が格好つけすぎだったよな、と感じるのです。数年前の話ですが、ある幹部自衛官の話をしていて「大変ですよ。国会答弁の民主党の質問と、それに対する政府答弁の両方を私が書くことになって…」という笑えぬ笑い話を聞いたこともありましたし、もともとそんなもんだとは分かってはいましたが。
平野氏はきょう午前の記者会見で、「決して官僚を遠ざけるとか、そういう考え方はない。要はいかに、言葉を選ばずに申し上げると、使いこなしていくかということが一番大事だ」と述べました。これは、「官僚は使いこなすものだ」と言いながら官僚に使われたと批判された麻生太郎前首相とほとんど何も変わりません。
また、記事は「総務官室が27日、各省庁に答弁メモの作成を指示した文書の廃棄・削除を要請したことも分かった」とも書いています。早速、証拠隠滅を図ったということかもしれませんが、産経新聞は指示文書の実物を入手しているので、この際、写真でどういうものかお知らせしようと思います。
まずは表紙です。「これまで同様各省庁の御協力をお願いします」とありますね。
提出方法を見ると、ワープロソフトや、ファイルで送信することまで指定しています。
「留意点」では、役人言葉は使用するなと注意しています。官僚がつくったというニオイを消そうという試みでしょうか。それと、「両論併記は認めない」として事前に関係省庁間で打ち合わせ、調整するように求めている点が気になります。だって、こういう複数省庁にまたがる問題を政治家が仕切ってこその「政治主導」ではないのかと思うからです。それにしても「総理答弁にふさわしい格調高い表現」って…。
問い合わせ先の書式まで細やかに指示をしています。自宅と携帯の番号まで記せという念の入れようです。
連立与党のマニフェストの関連事項まで、官僚に用意させようというわけです。たった今、テレビから谷垣禎一自民党総裁の質問に対する鳩山首相の「今までがあまりに官僚に頼りすぎていた」という答弁がタイミングよく耳に飛び込んできましたが…。
「取扱注意」の項には、「言ってはいけないこと」「注意すべき点」を参考として書き入れろとも書いてありました。こうした問題だって、脱官僚依存と政治主導を掲げているのだから、自分で判断すればいいのにと、ついそう思ってしまいます。こういう風に感じる私がひねくれているのでしょうか。
by Bero
写真・鳩山政権が官僚に指示し…