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警視庁:硬式野球部誕生へ 夢の都市対抗出場目指し、年内にも--甲子園経験者3人

 ◇就活学生も問い合わせ

 警視庁に硬式野球部が誕生することが決まり、早ければ年内にも発足する。既に部員18人を選抜、10年度中に25人程度まで増員し、日本野球連盟への加盟を目指す。実現すれば警察で初の加盟チームとなる。夢は都市対抗野球大会(毎日新聞社、日本野球連盟主催)出場だ。就職活動中の学生からも「どうすれば入部できるのか」と問い合わせがあり、警視庁幹部は「組織の活性化につながる」と期待を寄せている。

 選抜された18人は、今秋の人事異動などで警備部第4機動隊(東京都立川市)に配属された22~34歳の巡査、巡査長、巡査部長。聖光学院高(福島)OBなど甲子園出場経験者が3人いるほか、日大野球部出身者や、企業チームの廃部に伴い警察官に転職した社会人野球経験者もいる。

 初代監督には、79年に日大三高(東京)で甲子園に出場した警備1課の警部補(47)が内定している。高校から野球を始めて強豪校のエースになった異色の経歴が評価された。「企業チームの撤退が相次ぐ中、職場に野球部ができることは幸せ。30年近いブランクがあるが、選手が明るく楽しく成長できるようサポートしていきたい」と抱負を語る。

 警視庁には現在、アメリカンフットボールやバレーボール、サッカー、相撲など計14競技の運動部があり、いずれも機動隊に所属。隊内では基本的に部単位で通称「スポーツ小隊」となり、寝食を共にする。「結束力の強いスポーツ小隊は、デモ警備の現場で切り札的存在」(警視庁幹部)で、勤務面の評価も高いという。

 ただし、企業チームと比べ警視庁の運動部の運営は容易ではない。公的予算は付かず、費用はOBや職員のカンパ頼み。他の警察官と同様に宿直勤務をこなし緊急招集されることもあるため、非番日など勤務外の時間をやり繰りして練習することになる。グラウンドの確保も課題だ。

 野球部新設が話題になった9月以降、問い合わせが20件以上寄せられた。さまざまな事情で野球を断念した若者が大半。警視庁によると、採用後に通常は警察署で勤務するため、早くても入部までは3年前後かかるという。

 臼井祐一・警備部参事官は「警視庁の一つの象徴になるような活躍をしてほしい」と話している。【村上尊一】

毎日新聞 2009年10月24日 東京夕刊

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