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担当編集に質問状:「ちはやふる」競技かるた描いたマンガ大賞受賞作「繊細な心の揺れ」に注目

「マンガ大賞」で競技かるたにかける若者たちを描いた「ちはやふる」(末次由紀、講談社)
「マンガ大賞」で競技かるたにかける若者たちを描いた「ちはやふる」(末次由紀、講談社)

 話題のマンガの魅力を担当編集が語る「担当編集に質問状」。今回は書店員ら各界のマンガ通が選ぶ「マンガ大賞」受賞作「ちはやふる」(講談社、末次由紀)です。担当編集の坪田絵美さんに作品の魅力について聞きました。(回答はほぼ原文のまま掲載)

 --作品のあらすじについて教えてください。

 小学6年生の千早は、福井からの転校生・新(あらた)と出会い、競技かるたの世界を知ります。天性の聴力を武器に才能を開花させていく千早と、かるたの永世名人を祖父に持つ新。2人に導かれた太一は、かけがえのない仲間となりますが、卒業と同時に新は福井へ……。時をへて高校生になった千早と太一は、かるたでつながった新とのきずなを胸に、高校でかるた部をつくります。新たな仲間とともに、かるたに一層の情熱を傾けてゆく千早。迫力の試合シーンとともに、登場人物の繊細な心の揺れも見どころの一つです。

 --作品の誕生した経緯は。

 担当の私がかるた経験者で、末次さんに連載案として「かるたのマンガはどうでしょう」とお願いしたところ、快諾いただきました。末次さんは競技かるたとは無縁だったのですが、連載前から今も変わらず取材を重ね、作品に取り組んでいます。私は、百人一首の歌の意味は全く知らなかったので、末次さんが物語の中で歌の世界をあざやかに映し出されたときはとても驚くと同時に、これは豊かな作品になると思いました。

 --作者の末次さんとはどんな方ですか。

 マンガにまっすぐで真摯(しんし)な方だなあと感じます。取材先では知らぬ間にいろいろな人のそばにいて話を聞いていたり、とにかく熱心です。

 --マンガ大賞受賞の感想は。

 夢にも思わぬこととびっくりされ、「申し訳ない」とおっしゃっていましたが、「大賞の名に恥じない作品を目指していかなければ」と感謝されていました。

 --気になる今後は。

 まずは高校2年生になってからのかるた部の変化と、夏の全国大会が見どころです。最新5巻でのライバル・クイーンの登場に続き、名人も登場します。「ちはやふる」はまだ始まったばかり。これからますます盛り上がっていきます。かるたと恋愛の描写バランスにも、どうぞご注目ください。

 --読者にひと言お願いします。

 競技かるたに興味がある方も、そうでない方も、ぜひ一度「ちはやふる」の世界をのぞいてみてください。何かに夢中で取り組むことのかけがえのなさを描き、性別や年齢を問わずに読んでほしい作品です。末次さんが作品に込めた愛情と情熱を、一人でも多くの方にお届けできたらと願っています。今後とも「ちはやふる」をどうぞよろしくお願いいたします!

 講談社 「BE・LOVE」編集部 坪田絵美

 ◇連載情報など

「ちはやふる」 末次由紀 1~5巻 講談社 「BE・LOVE」で連載中

2009年6月27日

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