知人４人次々「死を招く女」…結婚詐欺３４歳、連続殺人容疑発展も

　９月に詐欺容疑で埼玉県警に逮捕された無職の女（３４）＝東京都豊島区＝に関係した男性が相次いで不審死していることが２７日、明らかになった。不自然な経緯で死亡した男性は４人に上る。県警は殺人事件の疑いもあるとみて慎重に捜査を進めている。

　発端は、インターネットを使った結婚詐欺事件だった。

　女は、ネット上で知り合った長野県の５０代男性と静岡県の４０代男性から計約３３０万円をだまし取った詐欺の疑いなどで９月に逮捕された。

　いずれもネット上の結婚相手募集サイトを使い「専門学校の学費が３か月未納で卒業できない。卒業したら、あなたに尽くします。結婚しましょう」などとウソの結婚話を持ち掛け、金をだまし取っていた疑い。詐取した金はクレジットカードの決済などに使ったとみられる。さらに女は、２人とは別に、長野県の５０代男性と埼玉県ふじみ野市の３０代男性への詐欺未遂容疑で１０月に再逮捕されている。

　インターネット、結婚話、金…。似た手口に着目した県警が捜査を進めると、女にかかわった男性が次々と死亡するという不可解な事実が明らかになった。

　〈１〉交際男性　女と交際していた東京都千代田区の会社員・大出嘉之さん（当時４１歳）は８月６日、埼玉県富士見市の駐車場で、施錠したレンタカーの後部座席で練炭による一酸化炭素中毒で死亡しているのが見つかった。遺体からは睡眠導入剤の成分が検出されたが、車内に遺書はなかった。女は、大出さんに「学生だからお金がかかる。欲しい物がある」などとウソの話を持ち掛け、約５００万円をだまし取っていた。

　女は遺体発見の前日に「一緒にいた」と認めているが、「別れたので、その後は知らない。自殺したのではないか」と供述しているという。

　〈２〉介護を受けた男性　女が訪問ヘルパーとして通っていた千葉県野田市の安藤建三さん（当時８０歳）は５月１５日、自宅が全焼する火事で死亡。〈１〉と同様に現場から練炭の燃えかすが発見され、遺体から睡眠導入剤の成分が検出された。同日、女が安藤さんのキャッシュカードを使って銀行口座から約１８０万円を引き出している。

　安藤さんは寝たきりの状態。火事は長男の留守中に発生した。

　〈３〉さらに２人の死亡男性　現時点で詳細は不明だが、同じく女とネット上で知り合った後に死亡した男性が、東京と千葉に別に計２人いることも分かっている。

　大出さんの遺体から検出された睡眠導入剤の成分が、女が病院で処方された薬の成分と一致したことが、捜査関係者への取材で分かった。県警では、大出さんの事件について殺人の疑いがあるとみて調べを進めており、さらに連続殺人事件に発展する可能性も視野に、慎重に捜査を進めている。

（2009年10月28日06時02分  スポーツ報知）

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