角界初文化功労者の大鵬・納谷氏 古巣に苦言
文化功労者受賞会見で喜びを語る納谷幸喜氏
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大相撲の第48代横綱・大鵬の納谷幸喜氏(69)が27日、09年度の「文化功労者」に選ばれた。歴代最多32回優勝の大横綱として君臨し、高度成長期の国民的ヒーローとして文化発展に寄与した功績が評価された。角界からは初、スポーツ分野では05年の長嶋茂雄氏以来9人目。会見した納谷氏は受章の喜びに浸るとともに「力士は芸能人ではない。とにかく稽古しかないんだ」と、稽古不足や風紀の乱れがまん延する角界の浄化を訴えた。
69歳になっても大横綱の威光は衰えていなかった。角界初の栄誉を手にした納谷氏は「大変なものを頂いたと思っています。一生懸命やってきて良かった。これも皆さんの力添えのおかげです」と感謝の言葉を口にした。
現役時代には32回の優勝を飾り、「巨人、大鵬、卵焼き」の流行語を生むなど、国民的英雄として日本の文化発展に寄与した。その一方で「巡業で全国の人にお世話になった。何かその人たちのためにできることはないか」と、69年からは献血運搬車「大鵬号」を全国に寄贈し続けた。今年で終了したが、延べ70台が全都道府県で活躍しており、社会福祉での貢献も高い評価を集めている。
現在はOBとして少し距離を置いた位置にいるが、古巣の変ぼうには心を痛めている。「裕福な時代になったので、力士の考えが甘くなってしまった」。最近は後輩横綱の朝青龍をはじめとする力士の稽古不足が指摘され、土俵での派手なガッツポーズなどがさまざまな論議を呼んでいる。「横綱、大関は鑑(かがみ)にならないといけない。力士は稽古しかないんですよ」と少し語気を強めてメッセージを送った。
脳梗塞(こうそく)の後遺症で現在は車いす生活だが、今年8月には巡業会場を訪れ、朝青龍にゲキを飛ばした。また、白鵬には巡業での稽古態度について「もっと(若手力士らを)引っ張っていきなさい」と助言したという。
「相撲は伝統文化なのに、最近の力士はそのことを忘れてしまっている。力士は芸能人になってはだめです」と苦言も忘れない。不祥事続きの角界に、今後も“ご意見番”の発言が必要となりそうだ。
◆納谷 幸喜(なや・こうき)1940年(昭15)5月29日、樺太・敷香郡敷香町(現ロシア・サハリン)生まれの69歳。56年に大相撲・二所ノ関部屋に入門、同年秋場所で初土俵を踏んだ。61年九州場所で第48代横綱に。2度の6連覇など歴代最多となる32回の幕内優勝を飾り、当時の子供が大好きなものとして「巨人、大鵬、卵焼き」が流行語になった。71年夏場所限りで引退し、相撲協会から一代年寄「大鵬」を贈られる。05年に定年退職し、相撲博物館館長に就任。昨年12月に退任した。
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