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【格闘技】桜庭 傷だらけの勝利2009年10月26日 紙面から ◆DREAM12▽25日▽大阪城ホール▽全9試合▽観衆1万163人 IQレスラーが執念の足関節で一本勝ちした。前回の試合から中18日の強行日程で金網戦に臨んだ桜庭和志(40)が、ゼルグ“弁慶”ガレシック(30)の打撃を食らいながらも、鮮やかなヒザ十字固めで相手の左足を破壊した。これで復帰戦となったルビン・ウイリアムズ戦に続いて連続1本勝利となったが、顔面を殴られ続けたサクは病院へ直行。意欲を見せていた大みそか「Dynamite!!」参戦へ、暗雲が立ち込めた。 何度も鉄拳が顔面に降り注ぐ。殴られ続けた桜庭の鼻からは血もしたたり落ちる。それでも、弁慶の足を掴んだ手を離すことはなかった。アキレス腱固めから足首固め。そしてヒザ十字。関節地獄に引きずり込んで完勝だ。 「結構、いっぱい、いっぱいの試合でした」。開始から強打を誇る弁慶の懐に潜り込み足を取った。そのままグランドポジションへ。試合は桜庭のイメージ通り。すかさず足関節を奪った。ところが、苦痛にもがく弁慶が足関節から逃れようと、サクの顔面に強打の集中砲火を浴びせた。 このまま殴られ続けたら逆にレフェリーに試合を止められる。誰もがサクのTKO負けを疑わなかったその時だ。延び切った弁慶の足をこん身の力で締め上げた。流れるような足関節のオンパレードに会場も大興奮。桜庭ワールドに酔いしれた。 だが、弁慶の足を破壊した代償も大きかった。試合後、車いすに乗ってインタビューに臨んだ弁慶に対して、顔面を殴られ続けた桜庭は大阪市内の病院へ直行。ノーコメントのまま会場を後にした。試合前には、無傷で弁慶に勝ったら2カ月後の大みそか「Dynamite!!」への参戦に意欲を示していただけに、ダメージの程度によっては出場が危ぶまれる可能性も出てきた。 (石川晴信)
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