魔裟斗、引退試合でペトロシアンと対戦…Ｋ－１ワールドＭＡＸ

大みそか、ペトロシアン（右）と対戦が決まった魔裟斗

　◆Ｋ―１　ワールドＭＡＸ世界一決定トーナメントＦＩＮＡＬ（２６日、神奈川・横浜アリーナ）大みそかの「Ｄｙｎａｍｉｔｅ！！」（さいたまスーパーアリーナ）で行われる魔裟斗の引退試合の相手が、２３歳の新王者・ジョルジオ・ペトロシアン＝イタリア＝に決まった。ペトロシアンはトーナメント決勝で、０５、０７年王者のアンディ・サワー（２６）＝オランダ＝を判定で下して初優勝を果たした。引退試合に臨んだ武田幸三（３６）＝治政館＝は、アルバート・クラウス（２９）＝オランダ＝に２回ＴＫＯ（ドクターストップ）負けを喫した。

　迷いはなかった。決勝戦を解説席で見つめていた魔裟斗は、試合終了と同時に「強いっすね。大みそか、空いてんのかな…。まあ、決まりでしょ、ペトロシアンでね」。圧倒的な強さで世界一の座に駆け上った新王者を、最後の相手に指名。そのままリングに上がって対戦を要求し「大みそかは空いています」との返答を受けると、「じゃあ大みそか、日本で待ってるよ」と右手を差し出した。

　魔裟斗は大会開始直前、「引退試合の相手はサワーしか考えていない。サワーをイメージしてずっと練習してきた」と話していた。サワーには過去２戦２敗と苦杯をなめている。最後に“落とし前”をつけなければいけない、相手だった。

　しかしペトロシアンの実力が、魔裟斗の心を動かした。卓越したパンチのテクニックに加え、２回には左ひざをレバーに突き刺してダウンを奪い、大差の判定勝利。「魔裟斗はもはやナンバーワンではない。今のナンバーワンは私」と言い切った。

　谷川貞治ＥＰは「こんなやつに本当に勝てるのかという強い王者。すぐ『やる』と言う魔裟斗はすごい。男はこうじゃなくっちゃ」と対戦にゴーサイン。「一番強いやつに勝ってリングを去りたい」という魔裟斗の男の覚悟が、大みそかに爆発する。