夢見る鳩は日本解体を招く
鳩山首相の所信表明演説に対するコメントでいちばん的を射ているのは産経新聞の阿比留瑠比記者の批判だ。
長すぎる、方向性が見えない、国際環境への危機感が無い、教育について触れていない、対等な日米係というが集団的自衛権の行使の考えが無い、普天間基地問題でも「いきがる」一方、大統領には分かってもらえるという甘えの姿勢だけ、鳩山首相の危うさが露呈・・・
阿比留氏は鳩山首相の番記者になったからよく見えているに違いない。
TBS「総力報道 The News」(2009/10/26)
後藤謙次
「長すぎる。政権交代から国会開会までも長すぎる」
テレ朝「報道ステーション(同上)
テレ朝は鳩山演説にオーバーラップして、チョーク工場や社保庁の職員のサービス向上の映像を流したりして民主党広報部の面目躍如だ。
谷垣自民党総裁
「冗長で感傷的。具体性に乏しい。(議場は)ヒトラーの演説に賛成しているような印象だ」
あの拍手と歓声は実に耳障りだった。
山口公明党代表
「公明党の主張と方向性は同じだ」
はやくも民主党に擦り寄っている。でも小沢幹事長はお呼びでないよ。
一色清(朝日新聞編集委員)
「自分の言葉で語っておられて非常に良かった。ひとつ注文つけるとすると経済環境は甘くないのでもっと国民に覚悟や協力を求めても良かった」
冗談じゃない。国民は金がもらえると思って民主党に投票したのだから、覚悟せよなどといったら怒るぞ。
それにしてもテレ朝解説者たちの鳩山総理に対する必要以上の敬語には辟易する。
古館伊知郎
「理念として素晴らしいと思う箇所が何箇所もあった。文章で読むと現実論に踏み込んで欲しい」
耳障りの良い言葉に酔いしれた阿呆たちの戯れ言である。
産経ニュース(同上)
鳩山首相の所信表明演説 「あいまいさ」と「甘さ」目立つ
鳩山由紀夫首相の初の所信表明演説からは、政権交代を成し遂げた高揚感と「友愛」にかける首相の強い思い入れは感じられるものの、諸施策に関する具体的言及は乏しい。残念ながら日本が置かれた厳しい国際環境への危機感もあまりうかがえない。
演説作成にあたり「役所の要望は極力抑え、国民の心に響くメッセージにしたかった」(政府高官)という意気込みは理解できる。だが、通例の1・5倍という12905文字を費やした割には、抽象的で焦点がぼけた印象だ。
例えば「何よりも、人のいのちを大切にし、国民の生活を守る政治」を掲げているが、これは当たり前すぎてことさら強調する意味が分からない。「大きな政府とか小さな政府とか申し上げるその前に」という表記も、どこを目指したいのか方向性が見えない。
あるいは、1月のオバマ米大統領就任演説にある「今日問われるべきなのは、政府が大きすぎるか小さすぎるかではない」との言葉を意識したのかもしれない。しかし、オバマ演説は同時に国民に「忠誠や愛国心」を求め、義務を果たすことが「市民権の代価」であるとも指摘している。上面だけをまねても、本質があまりに違う。
これだけ長い所信表明演説の中で、教育についてほとんど何も触れられていない点も気になる。その半面、日教組のドンと呼ばれる民主党の輿石東参院議員会長(幹事長職務代行)のキャッチフレーズである「『居場所』と『出番』」は盛り込まれている。
そして、特に懸念されるのが外交・安全保障に関する部分だ。民主党の政権公約(マニフェスト)通り「対等な日米同盟」をうたい「日本の側からも積極的に提言」する関係を目指すとしているが、それには日米同盟の片務性をただす必要がある。端的に言えば「集団的自衛権の行使を可能にする以外にない」(首相経験者)が、鳩山首相にその考えはないようだ。
東アジア共同体構想は高らかに主張するが、喫緊の課題である米軍普天間飛行場の移設問題に関しては「在日米軍再編については」と表現をぼかした上で「真剣に取り組む」とあるだけだ。日本は何もせずに“いきがる”一方、「大統領には分かってもらえる」(政府高官)といった、甘えの姿勢すらうかがえる。
だが、米国は契約(日米合意)を重視する冷徹な国だ。演説からは、改めて鳩山首相の危うさが浮き上がってくる。(阿比留瑠比)
西山社長更迭を求めて自分が更迭された鳩山(弟)は夢想的な兄の所信を批判した。
(同上)
「少女マンガのシーンみたい」鳩山元総務相、兄の所信表明を酷評
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by makomakomako
「国民」を52分に47回