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増える家具調仏壇 装飾シンプル、小型化 仙台圏

小ぶりで人気の家具調仏壇。仏具もおしゃれになり、骨つぼは化粧品の小瓶のようだ=仙台市青葉区の中居堂

 仏間を設けない住宅やマンション住まいの増加を受け、洋間に合う家具調仏壇が仙台圏で増えている。現代風のデザインやサイズの小型化に伴い、中に供える香炉などの仏具も多様化し、カラフルでおしゃれになってきた。

<15〜20%占める>
 重厚で豪華な伝統型に対し、家具調仏壇は装飾がシンプルで軽量化され、材質も明るい色調が多い。リビングルームやフローリングに合うデザインで、扉を閉じると収納家具にも見える。15年ほど前に登場し、仙台圏でも10年ほど前から需要が伸びてきた。

 宮城県内に8店舗を展開する仏壇の仙和(仙台市)によると、5年前は全体の1割ほどしか出なかったが、最近は15〜20%を占めるようになった。住宅事情を反映し、首都圏などの大都市では、伝統型と半々の売れ行きだという。

 売れ筋の価格帯も5年前は30万〜60万円だったのが、最近は20万〜50万円台と求めやすくなった。同社宮町本店の阿部賢二店長(36)は「郡部よりも仙台圏で割合が伸びており、該当店には常設コーナーを設けている。各メーカーの競争で低価格化も進んでいる」と説明する。

<黒檀や漆塗りも>
 以前はシンプルすぎて物足りない感じもあった家具調だが、需要が伸びるにつれ、商品構成も多様化してきた。伝統型の風合いや良さを取り入れ、唐木の黒檀(たん)や紫檀を使ったりと、素材にこだわった高級品も出ている。

 青葉区国分町にある老舗の中居堂では、岩手県の伝統工芸、岩谷堂箪笥(たんす)の技を取り入れたオリジナル品を生産。漆塗りや金具が施され、中型ながら価格は100万円以上。家具調の割合は半分以上になり、品ぞろえに力を入れる。

 同店によると、伝統型と融合させた家具調仏壇が増えたことで、和室に置くケースも増えている。一軒家であっても、将来マンションに移ることを想定し、小型や中型を求める年配者も多い。

<ペット用も登場>
 仏壇の多様化に伴い、仏具もカラフルになり、種類が豊富になったのも最近の傾向だ。線香を立てる香炉、位牌(いはい)、りんなども小ぶりになり、黒や茶系の金属製から透明なクリスタル製になるなど、色、デザインとも多彩でおしゃれになっている。

 中居堂の中居健一郎さん(25)は「暗いイメージだった仏事が明るいイメージになってきた。仏具も装飾性が重視されるようになり、故人に普段から触れ合うための身近な品になっている」と指摘する。
 故人の遺骨を手元に置いて供養しようと、分骨用のミニ骨つぼやペンダントを求める遺族も増えている。実家の父母を亡くした単身者や核家族世帯などに好評で、ペット用の仏壇、仏具も登場するなど、新たなニーズも生まれている。


2009年10月23日金曜日

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