山形のニュース

山形の家具 北欧進出 切削加工に高評価

家具を製造する朝日相扶製作所の社員

 北欧家具の本場・デンマークで、山形県朝日町の家具製造「朝日相扶製作所」の製品が注目を集めている。「家具の彫刻家」と評される同国の建築家、故フィン・ユールの著作権を持つ地元メーカーと今年1月にライセンス契約を結び、現地へ家具の納品を始めた。手掛けたいすやソファは首都・コペンハーゲンで8月にあった国際フェアでも高い評価を受け、製作所は「世界進出の足掛かりに」と意気込んでいる。

 朝日相扶製作所の家具製造はコンピューターによる「3次元CAD・CAMシステム」を使うのが特徴。寸法や規格をパソコンで立体的に設計。デジタル化したデータに基づき切削加工する仕組みで、家具製造の現場では世界的に珍しいという。

 この製造スタイルに注目したデンマークのメーカー「One Collection」が昨春、日本国内の輸入代理店を通じ、自社製品の試作を製作所に依頼。朝日町の本社工場でのメーカー経営者自らによる検品を経て契約に至った。

 8月のフェア「CODE 09」では、フィン・ユールの代表作で日本で100万円前後の小売価格が付くという、いす「N045」を出品。流れるような形のひじ掛け部分などきめ細かな仕上がりが現地の愛好家らに好評だったという。

 ライセンス契約後も日本国内の家具メーカーから欧米向け製品の製造依頼が舞い込んでいるという。

 朝日相扶製作所は自社ブランドを持たず、同業他社のオリジナル家具を専門に製造、納品する「ネームレス・ブランド」(阿部佳孝社長)で、社員145人。手掛ける家具は2500種類を数える。

 阿部社長は「ブランドを支える『黒子』に徹し、技術を高めてきたことが報われた。社員の励みにもなっている。少子高齢化で国内市場は伸び悩んでおり、『未開の地』に視野を広げたい」としている。


2009年10月24日土曜日

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