艦首から煙をあげる護衛艦「くらま」=27日午後10時8分、関門海峡、朝日新聞社ヘリから、恒成利幸撮影
関門海峡を流されながら炎上する護衛艦「くらま」=27日午後8時9分、北九州市門司区、読者提供
護衛艦「くらま」の消火活動が続く=27日午後9時21分、山口県下関市、藤脇正真撮影
防衛省海上幕僚監部に入った連絡によると、27日午後7時56分ごろ、本州と九州の境にある関門海峡で、海上自衛隊の護衛艦「くらま」(艦長・柏原正俊1等海佐、5200トン)とリベリア船籍の韓国のコンテナ船「カリナスター」(7400トン)が衝突、双方が炎上した。「くらま」側に負傷者が3人出ているという。
第7管区海上保安本部によると、「カリナスター」は午後8時35分ごろ鎮火したといい、けが人や油漏れの情報は今のところない。
「カリナスター」はコンテナを韓国・釜山から大阪に運んでいる途中だったという。
防衛省によると、「くらま」は艦首部分が激しく損傷し、炎上しているという。消火作業の際に乗員1人が右足にすり傷を負った。このほか2人が煙を吸って気分が悪いと訴えているという。
「くらま」は長崎県の佐世保基地の第2護衛隊群に所属するヘリ搭載型護衛艦で、進水は79年。25日に神奈川県の相模湾であった観艦式に参加したのち佐世保に戻る途中で、296人が乗っていた。
下関地方気象台によると、午後8時ごろの関門海峡の天候は快晴で風はほとんどなかったが、空気の乾燥のため乾いた微粒子が空気中に浮いて視程が妨げられる「煙霧」の状況にあったという。ただ、防衛省側は「くらま」からの情報として「視界も3〜4キロで悪くはなかった。波もほとんどなかった」としている。
北沢俊美防衛相には、海上幕僚監部から午後8時10分ごろ衝突の一報が報告された。