「『バーン』という雷のようなごう音が起きた。海の方を見ると船がぶつかり炎と黒煙を上げていた」。北九州市側の岸壁に釣りに来ていた同市の男性(44)は驚いた様子で話した。関門海峡で27日夜発生した自衛隊の護衛艦くらまと韓国のコンテナ船の衝突事故。数百メートル離れた岸壁では釣り客らが集まり騒然となった。
現場は本州と九州を結ぶ関門橋の下付近。近くで仕事をしていた運輸業の男性(39)によると、午後7時55分ごろ、別の大型船と擦れ違った護衛艦は約1分間、警笛を鳴らした後、反対方向から進んできたコンテナ船と衝突した。「爆発音の直後、火柱が上がり、護衛艦の船首の一部が吹き飛んだ」
護衛艦は船首から炎を上げ、海流に乗って南西に流された。炎が暗い海面を照らす中、赤色灯をともした門司海上保安部の船数隻が囲んで放水活動を続けた。
一方のコンテナ船は右前方がV字形に損傷した状態。サーチライトで照らされ関門橋付近にとどまっているのが、岸壁から見えた。