2009-10-26 19:27:35

第78回日本音楽コンクールバイオリン部門結果 雑感2 音色

テーマ:ブログ
昨日、第78回日本音楽コンクールバイオリン部門結果 雑感にふれ

優勝予想もしておいた。

尾池さんの優勝は揺るがないと確信していたが、

青木さんの1位はちょっと違うような気がした。

これは青木さんの評価を下げているのではなく、

明らかに総合では尾池さんが上回っていると感じたからだ。

なので、青木さんの1位は違う意味合いを感じる。

それは、若いからというのではなく、その音色。

実は、青木さんのバイオリンは、よく鳴っていた。楽器のよしあしではなく、うたわせていた。

それが、とてもクリーンな音色で明快。

隅々まで照らし出すようなクリーンな音色は、意外で驚いた。

エリザベート国際コンクールで弾いた諏訪内晶子さんの演奏を彷彿させるような感じさえあった。

トップバッターで同じパガニーニを弾いた成田くんの演奏よりも客席に届く、届く。

実は、成田君の1楽章での鳴りに物足りなさを感じていたので、

それを青木さんが十分な音量と音色でうたいあげて、僕が勝手に想像していたイメージと

ぴたっと来たので驚いたというのが正直なところ。

ただし、3楽章では成田君の男性ならではの厚みとダイナミックな切れが聴いていて心地よかったので

青木さんの第3楽章の演奏はそれほど強い印象が個人的に残らなかっただけ。

青木さんの音色、これはほかの人には出せない強みかもしれない。どうやってあの音を鳴らすのだろう。

おそらく楽器のせいじゃない。青木さんの1位は、この音色だと思う。この「青木トーン」を磨けば、

ほかにない演奏家になれる。

だけど、ずっと照らし出すようなクリーンな音では、選曲によってどうなのかと考えてしまった。

なので、1位とは予想しなかっただけ。

ライブで聴くと、偏見なしに誰が優勝するかはほぼわかる。

総合ポイントで言えば、聴衆賞もとった尾池さんがひとつ格上だった。それはパガニーニに比べてなじみがうすいバルトークでの演奏でさえ、彼女の世界に引き込んだパワーがあったから。ステージでのふるまいも王者の貫禄がすでに備わっていた。

結果論ではなく、結果を引き寄せる、そうしたシーンには、必ず揃う要素があり、それが揃ったときこそ予想と結果が重なるのだと思う。

尾池さんのバルトークは、冒頭を聴いたときに背筋に電気が走った。あらゆる意味で必要十分だったと感じたから、その瞬間に優勝するだろうなと確信した次第。

必要十分、この演奏ができるかどうかが、コンクールの分かれ目。

青木さんの音色、すでに完成した個性なのだろうか?
それが気になっている。


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